【22】佐智枝さんが鍵を持って戻ってきました。佐智枝さんは、鍵の掛かっていない書斎のドアを不思議に思うこともなく、そのまま中へ入りました。「さぁ、どうぞ中へお入り下さい。絢音お嬢様」佐智枝さんの声が、あたしの背中を押しました。佐智枝さんの後ろから、今は使っていない父の書斎へと入りました。しかしドアは、今入ってきた入口のドアしかありません。「どこから地下へ……?」「ココでございます、茜お嬢様」佐智枝さ...