【11】あたしが屋敷に帰ってきたのは、ちょうど90分後でした。屋敷までの坂道を上りながら、あたしは2人のコトを考えていました。しかし玄関を開けたあたしを、2人は何食わぬ顔で出迎えたのです。やっぱり何もなかったのかしら? あたしは自分の勝手な妄想が外れたコトにチョッピリ落ち込みながら、自分の部屋に戻りました。ゴロンとベッドに横になると、あたしは天井を見つめました。そして思ったのです。「そうだ、そんなに...