20週末の金曜日、オフィスの時計は19時を回ろうとしている。「お疲れ様でした。咲樹さん」「お疲れ様、真由。また来週ね。あっ! そうだ、アレ忘れないでね」「はい、わかってます。お先に失礼します……」あたしはオフィスを出るとバスに乗り、「アマデウス」に向かった。店に着くといつもの壁際の隅に座り、ミニスカートのあの子を待った。あたしはコーヒーを注文すると席を立ち、トイレの個室に入った。そこで咲樹さんに言われ...