2ntブログ

あなたの燃える手で

Welcome to my blog

ざくろ荘物語

17
すみれから相談を受けた林檎が、桃子の部屋を訪ねたのは土曜日の午後のコト
だった。

「でも林檎さんが訪ねてくるなんて、珍しいですね」
「まぁ、そうかもね。でもさ、お互い隣同士なんだから、もっと付き合いが
あってもいいと思うのよね……」
「はぁ、でもそれが最近の風潮というか……」
「でも女同士なんだし、それほど警戒するコトもないと思うワケよ。何回かは
会ってるワケだし、勿論知らない顔じゃないしさ」
「はぁ、まぁ、その辺は……、そうですケド……」
「ねぇ、桃子ちゃん、今日チョット時間ある?」
「はい、今日は1日暇ですけど。林檎さんが来なかったら、お昼寝してたかも
知れません」
「そうなんだ。それじゃさ、チョット頼まれてくれる?」
「はぁ、なんですか?」
「あのね、あたしがエステシャンしてるの知ってるわよね」
「はぁ」
「それでね、そのエステシャンの試験がもうすぐあるんだけど」
「試験? ですか……」
「そう、学校の試験みたいに、筆記や面接なんかもあるんだけど、やっかいな
のが実技なの」
「はぁ……、ジ・ツ・ギ?」
「だから、実際にどれだけの技量を持っているか試すわけ」
「あぁ、はいはい。で、どんな……?」
「どんなって、フェイシャル、ボディ、ワックス脱毛、メイクアップやネイル
まで、結構幅広いんだけどね」
「はぁ、そうですか。で、あたしに何を?」
「それなんだけど……、桃子ちゃんに練習台になって欲しいの」
「練習台?」
「ぶっちゃけていうと、桃子ちゃんの体で練習したいの」
「はぁ、なるほど。確かに自分じゃ出来ませんもんね」
「そうでしょう、そうでしょう。そういうワケよ」
「はぁ」
「で、イイ?」
「はぁ、まぁ、あたしは全然構いませんけど」
「ホント?」
林檎はあっけなく承諾した桃子に拍子抜けしそうだった。
「だって、ただでエステ受けられるわけですよね」
「そう、そうそう、もちろんお金なんか貰わないわよ」
なるほど、ただでエステ。最初からソコを強調すれば良かった。林檎は改めて
そう思った。
「じゃ、今から早速あたしの部屋で……」
「はい、いいですよ……」

2人は場所を林檎の部屋へと移した。
「さっきフェイシャルとかボディとか色々言ったけど、1番自分じゃ出来ない
のがボディなの」
「はぁ、メイクやネイルは出来そうですもんね」
「そう、それに力加減とか、効く効かないって部分もあるし」
「あぁ、なるほど……」
「だからこれからマッサージの練習をしたいの。桃子ちゃんで」
「はい、どうぞ」
あまりにも話がトントン拍子で進む。もしかしてこの子……。
そんなワケがないと妄想を打ち消しても、林檎は疑心暗鬼になる自分を止めら
れなかった。

Comments 0

Leave a reply

About this site
女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
About me
誠に恐縮ですが、不適切と思われるコメント・トラックバック、または商業サイトは、削除させていただくことがあります。

更新日:日・水・土