Christmas in Blue Moon
☆2
「ごめんください」
「こんばんは、麗子さん」
マリアが飛び出してから20分後、時間通りに良子と響子が顔を覗かせた。
「いらっしゃい、良子、それに響子ちゃんも。雪、まだ降ってるの?」
「降ってますよ、もう朝からずぅ~っとです。ねっママ」
「えぇ、もう足首くらいまで積もってるわ」
「あらそう、マリア大丈夫かしら……?」
「あら、マリアちゃんどうかしたの?」
「あの子ったらシャンパンを買い忘れてね、さっき買いに行ったのよ」
「もう、相変わらずねぇマリアちゃんは。シャンパンなら買ってきたのに」
「でもママはマリアのそういうところも好きなんでしょ? まっ、あたしは慣れてるけどね、マリアのそういうト・コ・ロ」
「うふふっ、響子ちゃんったら。とにかく上がって、大体準備は終わってるから」
2人はコートを脱ぎ、傍らに置いた。雪の日でも響子は、店にいるときと同じようにミニスカートから綺麗な脚を見せている。
麗子の目が一瞬、その脚に釘付けになった。
2人は居間に通された。マリアの散らかした段ボールやビニール袋は、麗子が綺麗に片付けている。
「わぁー、大きなツリー」
響子がその大きさに目を見張る。
良子は2本のシャンパンが入った袋をテーブルに置いた。
「ねぇ、麗子。コレ買ってきたんだけど」
良子は首の長いスマートな瓶を持ち上げて麗子に見せた。
瓶に貼られた可愛いラベルには『Georges Pierre』と葡萄色の柔らかな筆記体で書かれ、中にはピンク色のシャンパンが揺れている。
「あらっ、ジョルジュ・ピエール。あたしコレ好きなのよ。ホンノリ甘くて、それでいてサッパリとしてて」
「そう、良かったわ。コレにして」
「あたしが選んだんですよ、このシャンパン」
「まぁ、以外とグルメなのね、響子ちゃんって」
「えへっ、まぁ……、まぁそんなトコロです」
「またぁ嘘おっしゃい。ラベルとピンクが可愛いって言ってたじゃない」
「もう、ママ。それは内緒……」
2本のシャンパンが食堂のテーブルに置かれると、クリスマスらしさがグッとアップした。
「あらもう7時ね。マリアまだかしら」
キッチンでタイマーの鳴る音がする。
ローストチキンの焼き上がりを知らせる為に、マリアがセットしたものだ。
麗子がオーブンを覗くと、中ではチキンがこんがりと焼けている。
それを竹串で刺すと、そこからは透明な汁が一筋流れ出た。
「大丈夫みたいね……。よいしょっ」
重さ2キロはあるチキンをオーブンから引き出した。
そして大皿に載せると食堂に運んだ。
「わぁースゴーイ。マリアが作ったんですか? コレ」
「そうよ。結構やる時はやるのよね、あの子」
「本当に美味しそうな色に焼けたわねぇ」
「でも肝心のマリアがまだ帰ってこないんじゃ……、しょうがないわねぇ」
その時、玄関のドアが開く音がした。
「すいませーん、今帰りま……あれっ? もうみんな来てる」
玄関に並ぶ靴を見たのだろう、そんな声までが食堂に届いた。
「ごめんください」
「こんばんは、麗子さん」
マリアが飛び出してから20分後、時間通りに良子と響子が顔を覗かせた。
「いらっしゃい、良子、それに響子ちゃんも。雪、まだ降ってるの?」
「降ってますよ、もう朝からずぅ~っとです。ねっママ」
「えぇ、もう足首くらいまで積もってるわ」
「あらそう、マリア大丈夫かしら……?」
「あら、マリアちゃんどうかしたの?」
「あの子ったらシャンパンを買い忘れてね、さっき買いに行ったのよ」
「もう、相変わらずねぇマリアちゃんは。シャンパンなら買ってきたのに」
「でもママはマリアのそういうところも好きなんでしょ? まっ、あたしは慣れてるけどね、マリアのそういうト・コ・ロ」
「うふふっ、響子ちゃんったら。とにかく上がって、大体準備は終わってるから」
2人はコートを脱ぎ、傍らに置いた。雪の日でも響子は、店にいるときと同じようにミニスカートから綺麗な脚を見せている。
麗子の目が一瞬、その脚に釘付けになった。
2人は居間に通された。マリアの散らかした段ボールやビニール袋は、麗子が綺麗に片付けている。
「わぁー、大きなツリー」
響子がその大きさに目を見張る。
良子は2本のシャンパンが入った袋をテーブルに置いた。
「ねぇ、麗子。コレ買ってきたんだけど」
良子は首の長いスマートな瓶を持ち上げて麗子に見せた。
瓶に貼られた可愛いラベルには『Georges Pierre』と葡萄色の柔らかな筆記体で書かれ、中にはピンク色のシャンパンが揺れている。
「あらっ、ジョルジュ・ピエール。あたしコレ好きなのよ。ホンノリ甘くて、それでいてサッパリとしてて」
「そう、良かったわ。コレにして」
「あたしが選んだんですよ、このシャンパン」
「まぁ、以外とグルメなのね、響子ちゃんって」
「えへっ、まぁ……、まぁそんなトコロです」
「またぁ嘘おっしゃい。ラベルとピンクが可愛いって言ってたじゃない」
「もう、ママ。それは内緒……」
2本のシャンパンが食堂のテーブルに置かれると、クリスマスらしさがグッとアップした。
「あらもう7時ね。マリアまだかしら」
キッチンでタイマーの鳴る音がする。
ローストチキンの焼き上がりを知らせる為に、マリアがセットしたものだ。
麗子がオーブンを覗くと、中ではチキンがこんがりと焼けている。
それを竹串で刺すと、そこからは透明な汁が一筋流れ出た。
「大丈夫みたいね……。よいしょっ」
重さ2キロはあるチキンをオーブンから引き出した。
そして大皿に載せると食堂に運んだ。
「わぁースゴーイ。マリアが作ったんですか? コレ」
「そうよ。結構やる時はやるのよね、あの子」
「本当に美味しそうな色に焼けたわねぇ」
「でも肝心のマリアがまだ帰ってこないんじゃ……、しょうがないわねぇ」
その時、玄関のドアが開く音がした。
「すいませーん、今帰りま……あれっ? もうみんな来てる」
玄関に並ぶ靴を見たのだろう、そんな声までが食堂に届いた。