2ntブログ

あなたの燃える手で

Welcome to my blog

彼女の秘密


静江さんの長く伸びた小指の爪。それはあたしを責めるためにヤスリで鋭く整えられていた。彼女はその爪で、根元を糸で縛られた破裂しそうな肉豆の薄皮を切るように責め立てる。痛みと共に生まれる快感は、あたしを徐々に淫らな色に染めていく。
「どう? 痛い? それとも気持ちいい? こんなに爪が食い込んで……」
静江さんの爪があたしの肉豆に食い込んだまま、それは焦れったいくらいにゆっくりと動かしていく。
「はぁぁ! いっいやぁ! もういやぁ! やめてぇ! やめてぇ~!」
今までの責めで、半ば腫れ上がったような肉豆に食い込む爪は、想像以上の苦痛を生み出していた。しかしそれと同時にその苦痛がなければ味わえない快感をあたしに与えてくれる。そう、それは決して一人では手に入れることの出来ないもの。いや、あたしの体を知り尽くした彼女でなくては……。
「ほらっ、今度はこうよっ」
静江さんは鋭い爪の先を肉豆の横に食い込ませ、今度は穴を開けるように小指を左右に捻った。肉豆の1点に力が集中し、まるで極太の針が刺さるような痛みが走った。それは静江さんが力を抜くまで持続し、彼女は指先の力加減一つであたしを拷問にかけた。こんな事が出来るのはやっぱり彼女だけだ。
「んん? 痛いでしょう? ほぉ~らっ痛い痛い。ほぉ~らっ、ほぉ~らっ」
子指を回す度に爪の先が、ジリジリと肉豆に刺さるように食い込んでいく。
「ひぃっ! 痛いぃ! 痛いぃ! 助けてぇ、お願い何とかしてぇ~」
「まだまだ、ほらっもっと痛くしてあげる。ほらっ、ほらっ、ほぉ~らっ!」
「あっ、あっ、ひぃぃ! 痛いっ! 痛いぃ~! いやぁ! やめてぇ~!」
「んん~痛い痛い。ほらほらもっともっと。このままじっくり……ほらっ」
気の遠くなるような痛みの中で、あたしは確実に快感を貪っていた。
「んん? 痛くて痛くて堪らないでしょう、こんなに真っ赤に腫れ上がって。
まだよ、まだまだこのまま。ほらっ、痛いトコロをほじくるようにしてあげる。ほらっ、ほらっ、あぁー堪らないでしょう。ほぉらっ、そしてこうよ」
そして静江さんは爪を立てている反対側を舌先で舐め始めた。腫れ上がった肉豆が激痛と快感に挟まれる。
「あぁぁ~! やめぇ、おかしくなりそう。はぁ、はぁ、ひぃ~、やめてぇ」
「まだよ。まだまだじっくりと続けてあげる。ほらっ、ココも一緒に虐めてあげる。ほらっココ、ココでしょ? ほぉ~らっ、ココをクリクリしてあげる」
針のような爪とネットリとザラついた舌。そして2本の指が蜜壺に差し込まれ、その奥のポイントを正確に捉えると、ソコに薬を塗るようにクリクリと動かし続けた。快感にガクガクと震えるあたしの体。縛られて動けないこの体を、静江さんは上からガッチリと押さえ付けたまま責め続ける。
「まだ逝かせてあげないわよぉ。生殺しの儘でココをもっと痛くして……、こっちをクリクリしてっほらっ、んん~堪らない? ほらっ、もっともっと」
そして舌が小刻みに動かされ、それは無限にあたしの快感を高めていく。
あたしの目に映るものは無く、体は時間の消えた快感の海を果てしなく漂う。
そして現実に引き戻されるように、絶頂への大きなうねりがやってきた。
「あぁ~! あぁ逝くぅ、逝くぅ、ひぃぃ! 逝っちゃうぅ! 逝っちゃう!逝くぅ、逝くぅ、逝く逝く逝っちゃうぅ~! ひっ! ひぃぃ~……」
やがて海は静かに引き潮となって、あたしを優しく包んでくれた。

その日、あたしは帰ると積み上げられた雑誌の束から、事件の記事の載っている月刊誌を探しだした。そしてそのページを開き目を通した。

事件があったのは5月5日(月)
前の晩に女性客と2人で入った男性 "『唐沢伸之』45歳” が、チェックアウトの時刻になっても出てこないので午前10時にフロントが部屋に行ってみると、男性客は浴室で溺死体となっていた。
手首に縄の跡があり、バスタブから両脚を出し頭は水面下に沈んでいた。後に肺に大量の水が確認されている。
二人がチェックインしたのは5月4日の午後22時頃。
女は翌5日の午前2時頃に一人でホテルを出ている。その際フロントにタクシーの手配を頼んでいる。
フロントは男性客が一人で帰るときは警戒するが、女性客が先に帰ることは風俗の女性など、よくあることなので余り警戒していないという。
女はタクシーの到着する10分も前にホテルを出て、外で待っていたという。
車が到着したとき、「しゃがんでホテル前で何かしていた」とタクシー運転手が証言している。何をしていたかは運転席からは見えなかったらしく不明。
女は新宿駅までの1区間だけを乗り、車を降りている。
女は手袋にマスクと帽子を被り人相は判らなかった。
現場とタクシーから女の指紋は検出されなかった。
ここで保険金の受取人である "『唐沢静江』40歳” が捜査線上に浮かび上がるが、彼女は当夜、「自宅で寝ていた」としてアリバイはないが、決定的な証拠が得られず今日に至っている。

あたしは雑誌を閉じた。犯人は女みたいだけどまさか彼女が……。そんな時間普通寝てるし、誰だってアリバイなんか無いよ。
あたしは部屋の灯りを消し、眠りに付いた。

Comments 0

Leave a reply

About this site
女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
About me
誠に恐縮ですが、不適切と思われるコメント・トラックバック、または商業サイトは、削除させていただくことがあります。

更新日:日・水・土