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あなたの燃える手で

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小料理屋の二階


二人の唇が重なった。
あたしは生まれて初めて、女の人とキスをした。

柔らかい、女将さんの唇。女の人の唇ってこんなに柔らかいんだ。
それが女同士キスをして、初めて感じたことだった。
女将さんの乳房があたしの乳房に重なって、フワリと潰れている。
太ももも触れ合って、これがまた柔らかい。なにもかも、なにかもが柔らか
い。そんな柔らかさから、女将さんの優しさが伝わってくる。
だからあたしは、「女将さん、もう一度して……」と自然に言えた。
「いいわよ」
女将さんの唇がまた重なった。

今度のキスはさっきとは違う、もっと大人なキスだった。
大人というのは、女将さんの舌が、あたしの唇をノックしたことだ。
そのノックに、あたしはドアをゆっくりと開けた。不思議なことにそこに戸
惑いはなかった。
女将さんは両手であたしの髪をオールバックにするように撫でつけると、少
し首を傾け、ゆっくりと舌を入れてきた。
柔らかな舌と優しい香りに滑り込まれ、あたしは思わず「あぁん」と声を漏
らしてしまう。
「うふっ。久留美ちゃん、もっと舌出してみて」
「こう、ですか……?」
あたしはあっかんべーをするように舌を出した。
「そうよ。可愛い……」
女将さんはニッコリと微笑むと、あたしの舌をチュルッと吸い込んだ。そし
て吸い込まれた舌を、女将さんは自分の舌でねっとりと絡めてくる。
するとなんだろう、全身の力が抜けていくような、フワフワと浮いているよ
うな、そんな感覚に包まれて、あたしはそのままどこかへ流れていってしま
いそうだった。
そんな感覚の中、あたしの舌は解放された。

「どう? 女同士のキスは……。悪くないでしょう?」
「はい……、思ったより抵抗なかったです」
「うふっ、可愛い……。じゃぁ耳はぁ?」
女将さんの唇が、あたしの耳たぶを優しく咥えた。そしてため息のような
温かな風を耳に流し込んできた。
「あぁっ、あぁぁ~ん」
「んん~、敏・感」
「だって、そんなことされたら……」
「じゃぁこんなことはぁ?」
いつの間にか羽布団の中に潜り込んでいた女将さんの両手、それがブラの下
から入り込んで、あたしの二つの乳首をしっかりと挟み込んだ。
「あぁっ、女将さん、なにを……」
「うっふふっ。あらあら、挟んだだけで乳首がコリコリになちゃった」
「あぁぁ~ん、だめっ、こんなのだめですぅ」
「だめなのぉ~? でも敏感な久留美ちゃんは、すぐに気持ちよくなっちゃ
うんじゃない? んん? ほらっ、指でコリコリしてあげる」
その途端、胸から快感が波紋のように広がった。
「あぁ~ん、もう、女将さぁ~ん、そんなことされたら……、感じちゃう」

でもあたしは抵抗しない。それどころか次の快感を待っていたのだ。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土