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あなたの燃える手で

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小料理屋の二階


女将さんは暖簾を仕舞うと、そのまま戸を閉め鍵をかけた。
「寒いわねぇ~。あたしも飲もうかしら? 熱燗で……」
数分後、女将さんはお盆に二本の徳利を乗せてあたしの隣に座った。

女将さんが隣に座った時、あたしはもう三本目の徳利を傾けていた。それを
見ると女将さんは、あたしの手から徳利を奪い取ってお酌をしてくれた。
それからあたし達は取り止めのない話を続け、あるタイミングで女将さんが
あたしの顔をじっと見つめた。
「あらっ、久留美ちゃん酔ったの? 顔が赤いわよ」
「だって、お酒もお料理も美味しいから……」
「あらっ、可愛いコト言っちゃって……。ねぇ、久留美ちゃん酔ったの? 
顔が赤いけど。二階でちょっと休む?」
二階……? そういえば、あたしはこの店の二階に行ったことがない。

「えっ? 大丈夫です」
「あらっ、そう? でも酔ってるみたいだし、そうしなさい。ねっ……」
そう言って女将さんは、あたしの手を引いて立ち上がった。
「でもぉ……」
「いいからいいから……」
戸惑いながらも立ち上り、女将さんと一緒に奥にある階段へと歩く。
階段までくると女将さんは店の明かりを消し、階段の明かりをつけた。
「ちょっと急だから、気をつけてね」
「はい……」
見上げる階段は確かにちょっと急だった。女将さんはそんな階段を慣れた足
取りで登っていく。あたしもおかみさんに続いて階段を登り始めた。

二階は二間に分かれており、トイレや収納などもあって十分ここで暮らして
いけそうだった。手前は洋間、奥は八畳の和室だった。
女将さんは和室に入るとエアコンのスイッチを入れ、押し入れから布団を出
して敷き始めた。
「あっ、女将さん、あたしが……」
「いいから、いいから」
女将さんは手伝おうとするあたしを制して、手早く布団を敷いていく。
「女将さんは、ここに住んでるんですか?」
「ううん、家は別にあってね、ここには通ってるのよ」
「そうなんですか」
女将さんは暖かそうな羽布団を二つ折りにすると、最後に枕を置いた。
「さぁ、いいわよ、少し横になったら……」
「すみません……」
横になったあたしに、枕元に座った女将さんが羽布団をと掛けてくれた。
「少し寝ていきなさい。明日お休みなんでしょう? まだ学生だもんね」
「はい、そうですけどぉ、でもぉ~」
「いいのよ。なんなら朝までいたって……」
「そんなっ、いくらなんでも朝までは……」
でもあたしは慣れない日本酒のせいか、布団の中ですぐに静かになった。

羽布団のせいだろうか? ちょっと暑い。でも心地よい暖かさだ。お酒でい
えばぬる燗。そうまさに人肌の暖かさだ。
その時、あたしの全身に柔らかな圧力を感じた。
それはまさに人肌の暖かで、柔らかな弾力や息づかいまで感じる。
「えっ……?」
あたしはそこでようやく目を開けた。

するとそこには、女将さんが添い寝をしていた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土