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あなたの燃える手で

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春を画く

 ☆
 前回12話をアップするところ、13話をアップしてしまいました。
 アップし直しましたが、今回アップしたのは前回アップした13話です。
 12話を読みたい方は前回分をお読みください。               申し訳ありませんでした。


13
「ようこそ。誰もいない、誰も来ない山奥の一軒家に」
「あっ、はい。よろしくお願いします」

車を降りると彼女は、あたしの後を追いかけるように付いてきたのです。
鍵の掛かっていない玄関のドアを開けると、彼女を中に招き入れます。
玄関には一足の靴もなく、室内はカーテンが引かれ、薄暗い感じです。
あたしは取り敢えずといった感じで、カーテンを開けました。
窓の外には、深緑の山と空しか見えません。

「ここまで山深いとね、鍵を掛けなくても安心なの。だって、ここに家があ
るなんて、誰も知らないでしょう? どうぞ、適当に座って」
二葉さんは通されたリビングの、テーブルの一番手前の椅子に座りました。
「そうですね。でもどうしてこんな山奥に……」
「あぁ、それはそのうち分かるわ。制作が始まれば……」
「無空先生はここにお一人で?」
「ここはアトリエだから、住んでるワケじゃないの。電気やガスは通ってる
んだけどね、買い物が大変でしょう。麓まで降りなきゃお店もないし」
「確かに……」
「ねぇ、疲れたでしょう? とりあえずコーヒーでも飲まない……?」
「えぇ、はい……、いただきます」
あたしは隣のキッチンで、インスタントコーヒーを入れ始めました。
「お砂糖とミルクはぁ……?」
「あたしはブラックで……」
リビングから回り込んだ、彼女の声だけが聞こえます。
あたしは両手にカップを持ってリビングに入り、その一つを二葉さんの前
に置きました。
「そうぞ……」
「いただきます」
彼女はプラックコーヒーを一口啜りました。
あたしもそれを見ながら一口啜ります。何気に目が合ってまた一口。
「どう? ここの第一印象は?」
「そうですねぇ、こんな山奥だとは思いませんでした」
そんな返事をしてまた一口。
「そうそう、あたしもそう思うわ。山奥過ぎるわよねぇ、ホントに……」
二人で微笑みあってまた一口。
すると彼女の目がトロンとしてきて……、そのまま瞼の重さに負けたよう
に、眠りへと落ちていったのです。

あたしは双葉さんが眠ったのを確認すると、コーヒーを飲み干しました。
そしておもむろに立ち上がると、彼女のシャツのボタンを外していったので
す。シャツが開いていくごとに、柔らかそうな膨らみに目がいきます。
シャツを両腕からを抜くと、二つ折りにしてテーブルに置き、今度は背中に
手を回し、ブラのホックを外します。ブラはシャツの上に重ねました。
そして前に回ると彼女膝の上で、両腕に革の手枷を嵌めたのです。
あたしは改めて手枷を嵌められた、二葉さんの上半身を眺めました。
「バストは86だっけ……? 確かにそれくらいね。それにしてもツルツルで
綺麗な肌ね。きっと先生好みだわ」
もともと薄い睡眠薬です。彼女は1時間もしないうちに目を覚ましました。
「えっ? なっ、なんですかコレ……。鏡空さん」
「見ての通りよ。早速モデルをやって貰うわ」

あたしの中に、いつしかSの炎が灯っていたのです。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土