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あなたの燃える手で

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ダブルフェイス

6
玲と千鶴の乗った選挙カーは、夢の森駅西口ロータリーに到着した。

「あらっ、ちょっと早いわねぇ、まだ30分以上あるじゃない」
「日曜日で道が空いてましたからねぇ」
「どうするぅ?」
今日の準備はもう出来ている。後は手袋をして襷を掛けるくらいのものだ。
千鶴は辺りをぐるりと見回すと、幹線道路の向こうにカフェを見つけた。
「あそこにカフェがありますすけど、あそこで時間潰します?」
「えぇ? あぁホントだ。あるわねぇ、行ってみましょうか」
2人は車を降りて幹線道路を渡ると、見つけたカフェに向かった。
近づくにつれ、さっきまで読めなかった『カフェ アマデウス』という看板の
文字が読めるようになってきた。
「あらっ、いいじゃない。ここにしましょう」
「異議なぁ~し」
店に入ると2人は、奥の壁際にある4人掛けのテーブルに座った。
「いらっしゃいませぇ」
ミニスカートから綺麗な脚を見せた若い子が、注文を取りに来た。

そして同じ頃、北林南も夢の森駅西口に到着していた。
南は西口の改札を出ると、バスターミナルに選挙カーを探した。首尾よく選
挙カーは見つけたものの、玲達の姿はそこにはなかった。
「いないかぁ。早かったかなぁ。まだ30分以上あるし。どうしよっかなぁ」
すると幹線道路の向こうに一軒のカフェを見つけた。目の前の横断歩道を渡れ
ばすぐだ。
「とりあえずあそこで時間潰しますか……」
南は横断歩道を渡ると、そのアマデウスというカフェに入った。入口近くの2
人掛けのテーブルに座ると、そこからターミナルを眺めた。
すると綺麗な脚の女の子が注文を取りに来た。
「いらっしゃいませぇ、ご注文はお決まりですかぁ?」
「えぇっと、アイスコーヒーください」
「はい、アイスコーヒーですね」
彼女は奥の厨房に消えると、店のママに注文を伝えたようだった。

「あらっ? あの子……」
千鶴は南にすぐに気が付いた。
制服こそ着ていないが髪型もメガネも、そして何より顔も……。今はターミナ
ルを眺めている横顔だが、昨日可愛いと思ってずっと見ていた顔だ。今更見間
違えるはずもない。
「先生、あの子ですよ。昨日のJK。先生の最年少ファン」
「えっ? どこ?」
千鶴は "あそこです" とばかりに。入り口に近いテーブルをに目を向けた。
「あらっ、ホント。可愛い子ねぇ」
「先生、顔に "美味しそう" って書いてありますよ」
「あらっ、あなただって……」
「こうして近くで見ると、やっぱり高校生ですね。顔があどけないわ」
「それにあの胸、大っきくない? 脚も綺麗だし。あぁもう堪んない」
「先生、演説はこれからなんですよ。」
「大丈夫よ。ちゃんと切り替えるから。それにしても可愛いわねぇ、ねぇ、千
鶴、あの子あたしのファンなら、当然あたしのこと知ってるわよねぇ」
「そりゃあ、まぁ、そうだと思いますけど……」
「だったら声掛けてみてよ」
「えっ……? あたしがですか?」
『そうよ。だって見つけたのあなたでしょう。それに昨日の様子を知ってるの
もあなたなんだし……、ねっ? いいでしょう」
「はい、わかりました。じゃあ一応、声掛けてみますど……」

「あのう、ちょっとすみません」
千鶴は南のテーブルに近づくと、その横顔に声を掛けた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土