ダブルフェイス
5
高校生の北林南は入浴中、妄想の中に現れた天宮玲に逝かされた。
股間に伸ばしていた右手をバスタブの縁にかけると、大きく溜息をついた。
浴室を出て自室へ戻ると、ネットで明日の選挙演説の場所を確認した。明日は
夢の森駅の西口にあるロータリーらしい。
「よし、日曜日だし近いし、ちょっと行ってみるか……」
そして翌日。
天宮玲と白鳥千鶴。そして北林南は、それぞれ夢の森駅の西口ロータリーへと
向かった。
「そういえば先生、今日も来ますかね」
「誰が?」
「昨日のJKですよ」
「あぁ、そうね。もしいたら教えて頂戴。あたし顔知らないし」
「分かりました。なにしろ先生の最年少ファンですから……」
「そうね、選挙権ないけどね」
「でも結構可愛いんですよ。あの制服……、夢の森女子高校かしら」
「えぇ? 夢女? あらやだ。もしそうならあたしの後輩じゃない」
「そういうことになりますね。この辺は先生の地元ですし……。そういえば先
生、夢女時代は生徒会長だったんでしたっけ?」
「そうそう、別に何をしたってわけでもないんだけどね」
「そうなんですか?」
「そうよ。あたしがしたって言えば、 "屋上への立ち入り自由化" と "放課後
の帰宅時間延長" くらいのものよ」
「なんですか? それ」
「屋上の自由化っていうのはね、元々ウチの学校、屋上は立ち入り禁止だった
の。ほら、イジメとかで自殺とかあるでしょう。だから」
「あぁ……」
「でもね、屋上にはずっと前から高い "フェンス" って言うの、ネットか張っ
てあるから、それも鉄のよ。だから飛び降りなんて出来ないのよ」
「なるほど」
「だったら屋上使わせて下さいって、生徒達の署名を集めて提出したの。そし
たらそれが通ったってわけ」
「へぇ~。もう一つの帰宅時間ナントカっていうのは……」
「放課後の帰宅時間延長っていうのはね。部活動以外の生徒は早く帰りなさい
っていうことだったの。その時間が早くてね、どうせ早く帰ったって途中で寄
り道するわけだし、何かトラブルに巻き込まれるよりは、校内にいた方がいい
ってことで……」
「それも署名を集めたんですか?」
「そうね、それに生徒会でほとんど可決してたから、案外すんなり通ったわ」
「へぇ~。でも屋上とか放課後学校にいたいですかねぇ? あたしだったら早
く帰りたいですけど……」
「実はね、半分はあたしの為。っていうかあたし達の為だったの」
「あたし達?」
「そう、その当時の付き合ってた彼女」
「先生、女の人と付き合ってたんですか?」
「そうよ。あなただって人のこと言えないと思うけど」
「まぁ、それはそうですけど……」
「でね、その人と少しでも2人きりになりたくて、屋上が使えたり、放課後残
れれば時間と場所が出来るでしょう。街中で女同士でって、チョットね」
「そうですけど……。それで放課後、ですか? でもそんなに……」
「あの頃は必死だったわ。少しでも一緒にいたくてね」
「そうだったんですかぁ。それでセンセ、その人とはどこまで?」
「それは、まぁ、女子高校生だし、したっていっても、せいぜいアソコを舐め
たり指を入れてみたり、そんな感じかしら……」
「それだけやってれば十分ですよ」
「でも今にして思えば、 "逝くっ" ていう感覚は無かったわ。昔はそんなもん
かも……。だって昭和の話だもん」
「まぁ、お互いJKだったわけですし……。あっ、駅が見えてきましたよ」
2人の乗った選挙カーは、幹線道路から駅のバスターミナルへと入り込んだ」
高校生の北林南は入浴中、妄想の中に現れた天宮玲に逝かされた。
股間に伸ばしていた右手をバスタブの縁にかけると、大きく溜息をついた。
浴室を出て自室へ戻ると、ネットで明日の選挙演説の場所を確認した。明日は
夢の森駅の西口にあるロータリーらしい。
「よし、日曜日だし近いし、ちょっと行ってみるか……」
そして翌日。
天宮玲と白鳥千鶴。そして北林南は、それぞれ夢の森駅の西口ロータリーへと
向かった。
「そういえば先生、今日も来ますかね」
「誰が?」
「昨日のJKですよ」
「あぁ、そうね。もしいたら教えて頂戴。あたし顔知らないし」
「分かりました。なにしろ先生の最年少ファンですから……」
「そうね、選挙権ないけどね」
「でも結構可愛いんですよ。あの制服……、夢の森女子高校かしら」
「えぇ? 夢女? あらやだ。もしそうならあたしの後輩じゃない」
「そういうことになりますね。この辺は先生の地元ですし……。そういえば先
生、夢女時代は生徒会長だったんでしたっけ?」
「そうそう、別に何をしたってわけでもないんだけどね」
「そうなんですか?」
「そうよ。あたしがしたって言えば、 "屋上への立ち入り自由化" と "放課後
の帰宅時間延長" くらいのものよ」
「なんですか? それ」
「屋上の自由化っていうのはね、元々ウチの学校、屋上は立ち入り禁止だった
の。ほら、イジメとかで自殺とかあるでしょう。だから」
「あぁ……」
「でもね、屋上にはずっと前から高い "フェンス" って言うの、ネットか張っ
てあるから、それも鉄のよ。だから飛び降りなんて出来ないのよ」
「なるほど」
「だったら屋上使わせて下さいって、生徒達の署名を集めて提出したの。そし
たらそれが通ったってわけ」
「へぇ~。もう一つの帰宅時間ナントカっていうのは……」
「放課後の帰宅時間延長っていうのはね。部活動以外の生徒は早く帰りなさい
っていうことだったの。その時間が早くてね、どうせ早く帰ったって途中で寄
り道するわけだし、何かトラブルに巻き込まれるよりは、校内にいた方がいい
ってことで……」
「それも署名を集めたんですか?」
「そうね、それに生徒会でほとんど可決してたから、案外すんなり通ったわ」
「へぇ~。でも屋上とか放課後学校にいたいですかねぇ? あたしだったら早
く帰りたいですけど……」
「実はね、半分はあたしの為。っていうかあたし達の為だったの」
「あたし達?」
「そう、その当時の付き合ってた彼女」
「先生、女の人と付き合ってたんですか?」
「そうよ。あなただって人のこと言えないと思うけど」
「まぁ、それはそうですけど……」
「でね、その人と少しでも2人きりになりたくて、屋上が使えたり、放課後残
れれば時間と場所が出来るでしょう。街中で女同士でって、チョットね」
「そうですけど……。それで放課後、ですか? でもそんなに……」
「あの頃は必死だったわ。少しでも一緒にいたくてね」
「そうだったんですかぁ。それでセンセ、その人とはどこまで?」
「それは、まぁ、女子高校生だし、したっていっても、せいぜいアソコを舐め
たり指を入れてみたり、そんな感じかしら……」
「それだけやってれば十分ですよ」
「でも今にして思えば、 "逝くっ" ていう感覚は無かったわ。昔はそんなもん
かも……。だって昭和の話だもん」
「まぁ、お互いJKだったわけですし……。あっ、駅が見えてきましたよ」
2人の乗った選挙カーは、幹線道路から駅のバスターミナルへと入り込んだ」