狩人はバニラの香り
16
響子の指先が、明日香のアナルをピッタリと捉えている。
後から響子の囁き声が聞こえた。それは明日香だけに聞こえる声だった。
「ここは? どう?」
どう? どうって言われても……もう、その声だけで濡れてきちゃった。
蜜壺のヌメリを感じながらも、明日香は答えに迷った。
「いいの?」
「はっ、はい」
戸惑いの中で、気持ちの整理の付かないままの曖昧な返事だった。
「そう。いいのね」
「えっ」
響子はその指先に明日香の蜜をすくい取ると、いつでも入れられると言わんばかりに、アナルの中心に突き立てるようにセットし、そして囁いた。
「大丈夫、ちょとだけ」
明日香は黙って首を縦に振り、少し脚を広げるようにずらした。
「いい子ね」
彼女の声は明日香の脳髄に染み込むように届いてくる。明日香の神経がそこに集中した。
そしてそれは、ほんの一瞬の出来事だった。
アナルに強い圧迫感を感じ、響子の指先が滑るように侵入してきた。
「あぁぁん」
必死にこらえる中で漏れてしまうその声も、電車の走行音で掻き消された。
響子の指はおそらく、第1関節までしか入っていないようだった。
その指を彼女は釣り針のように曲げ、明日香のアナルを内側から引っ張った。
釣り針は何度も引っ張られ、引っ張りながら左右に回転を始めた。
思わず声を漏らしそうになった明日香は、必死に中吊り広告を読む振りをして耐えていた。
明日香は連結部の手摺りにピッタリと寄りかかり、響子は連結部分に体が半分隠れ、明日香と体半分が重なるように立っている。そこから明日香のショーツの中に腕を伸ばしていた。車内は乗客が動けないほどの混雑だ。自分の足元も
見えない。その僅かな隙間で、淫らな行為が行われている。
響子の指は明日香のアナルからゆっくりと引き抜かれた。その瞬間、今までと
は異質の快感が明日香に走った。思わず括約筋に力が入る。
その行為は当然その指先に伝わり、彼女の知るところとなった。
「抜かれるときがいいの?」
明日香の耳にだけ届く声。その問いに明日香は黙って頷いた。頷くことによっ
て決定づけられた自分の羞恥。その事実が更に明日香を淫らに煽り立てた。
「そう、そうなの」
そう言うなり響子の指先は、明日香のアナルで第1関節までの出入りを繰り返
した。ゆっくりと入れ、出るときはそれ以上にゆっくりと。それを何度も繰り
返した。
アナルに生まれる快感の波紋は、明日香を虜にしていった。
彼女、今日もあのお店に来るのかしら? それにこの彼女が本当に……。
電車が『夢の森』のホームに滑り込み、やがて停止した。乗降する乗客が動き
出し、彼女の手がショーツから抜かれた。
「あっ、あのう……」
「ん? なぁに」
「いっ、いえっ、別に」
明日香は言おうとした言葉を飲み込んだ。
響子は黙って明日香に背を向けると、人混みに紛れていった。
響子の指先が、明日香のアナルをピッタリと捉えている。
後から響子の囁き声が聞こえた。それは明日香だけに聞こえる声だった。
「ここは? どう?」
どう? どうって言われても……もう、その声だけで濡れてきちゃった。
蜜壺のヌメリを感じながらも、明日香は答えに迷った。
「いいの?」
「はっ、はい」
戸惑いの中で、気持ちの整理の付かないままの曖昧な返事だった。
「そう。いいのね」
「えっ」
響子はその指先に明日香の蜜をすくい取ると、いつでも入れられると言わんばかりに、アナルの中心に突き立てるようにセットし、そして囁いた。
「大丈夫、ちょとだけ」
明日香は黙って首を縦に振り、少し脚を広げるようにずらした。
「いい子ね」
彼女の声は明日香の脳髄に染み込むように届いてくる。明日香の神経がそこに集中した。
そしてそれは、ほんの一瞬の出来事だった。
アナルに強い圧迫感を感じ、響子の指先が滑るように侵入してきた。
「あぁぁん」
必死にこらえる中で漏れてしまうその声も、電車の走行音で掻き消された。
響子の指はおそらく、第1関節までしか入っていないようだった。
その指を彼女は釣り針のように曲げ、明日香のアナルを内側から引っ張った。
釣り針は何度も引っ張られ、引っ張りながら左右に回転を始めた。
思わず声を漏らしそうになった明日香は、必死に中吊り広告を読む振りをして耐えていた。
明日香は連結部の手摺りにピッタリと寄りかかり、響子は連結部分に体が半分隠れ、明日香と体半分が重なるように立っている。そこから明日香のショーツの中に腕を伸ばしていた。車内は乗客が動けないほどの混雑だ。自分の足元も
見えない。その僅かな隙間で、淫らな行為が行われている。
響子の指は明日香のアナルからゆっくりと引き抜かれた。その瞬間、今までと
は異質の快感が明日香に走った。思わず括約筋に力が入る。
その行為は当然その指先に伝わり、彼女の知るところとなった。
「抜かれるときがいいの?」
明日香の耳にだけ届く声。その問いに明日香は黙って頷いた。頷くことによっ
て決定づけられた自分の羞恥。その事実が更に明日香を淫らに煽り立てた。
「そう、そうなの」
そう言うなり響子の指先は、明日香のアナルで第1関節までの出入りを繰り返
した。ゆっくりと入れ、出るときはそれ以上にゆっくりと。それを何度も繰り
返した。
アナルに生まれる快感の波紋は、明日香を虜にしていった。
彼女、今日もあのお店に来るのかしら? それにこの彼女が本当に……。
電車が『夢の森』のホームに滑り込み、やがて停止した。乗降する乗客が動き
出し、彼女の手がショーツから抜かれた。
「あっ、あのう……」
「ん? なぁに」
「いっ、いえっ、別に」
明日香は言おうとした言葉を飲み込んだ。
響子は黙って明日香に背を向けると、人混みに紛れていった。