狩人はバニラの香り
5
明日香の後に彼女が並んでいる。
電車のドアが開き、2人は連結部分まで進むと、明日香は体を半分だけ連結部分に隠すような形で立ち、彼女はその後に回っていた。
今日も2人ともミニスカートだ。
まだ1度も話したこと無いのに、私達って分かり合えてる感じがするわ。
明日香はそんな感慨に耽りながら、手摺りに掴まった。
「おはようございます」
囁くような声が明日香の耳元で聞こえた。それは空耳ではなく、確かに後の彼女が明日香に囁いた声だった。
明日香は目を丸くして首だけで後ろを向くと、彼女の唇が耳に触れそうな位置にあった。彼女がもう1度囁いた。
「おはようございます」
熱い吐息を耳に感じ、明日香は中学生のように頬を赤らめた。
「あっ、おっ、おはようございます」
コクリと首だけで頷くような仕草をしながら、明日香は挨拶をした。それは2人だけに聞こえるような声だった。
電車が動き出した。手摺りに掴まる手に力が入る。
揺れが収まった時、明日香は彼女の胸の膨らみを背中に感じた。
彼女は分かっている。今まで偶然かもしれないと思っていたことも、必然だったのだ。昨日、降りる時に手を握ったのも、お尻を触ったのも、たまたまではなく、彼女が意識してやったことだったのだ。
明日香は上体だけで手摺りに寄りかかり、手を後に回した。
彼女は片脚を明日香の足にピタリと付けた。ひんやりとした張りのある感触。そして明日香は指先でその太ももに触れた。
その指先を彼女が優しく摘んだ。そして明日香と少し体の間隔を開けると、自分のスカートの中にその手を導いた。
そしていつもの急カーブに差し掛かったとき、彼女は明日香の手を自分の股間に強く押し当てた。少し湿ったショーツの上から感じる柔らかな肉の感触。
その中心を上下させるように彼女は明日香の指を誘導した。
明日香は前を向いたまま、彼女の誘導に従った。
そして、さっきよりも小さな囁き声が聞こえた。
「いいのよ」
明日香の神経が耳に集中する。
「いいのよ。触っても。もっと触って」
誘導していた彼女の手が離れても、明日香の指先は触り続けていた。
彼女の熱くなっていく吐息が、繰り返し耳に吹き掛かる。
やがて電車が減速を始め、乗客が大きく傾いた時、彼女は明日香の手を握りショーツの中に導き入れた。柔らかな茂みが指先に触り、熱く濡れた花びらの蜜までもがその指先に付いた。
そこで電車がホームに滑り込み、明日香は指を離した。
彼女、ここで降りて何処へ行くんだろう? 明日香の胸にそんな疑問がわき上がった。人に流されていく彼女を振り返る。
彼女は振り返ることなく電車を降り、人混みに消えていった。
明日香の後に彼女が並んでいる。
電車のドアが開き、2人は連結部分まで進むと、明日香は体を半分だけ連結部分に隠すような形で立ち、彼女はその後に回っていた。
今日も2人ともミニスカートだ。
まだ1度も話したこと無いのに、私達って分かり合えてる感じがするわ。
明日香はそんな感慨に耽りながら、手摺りに掴まった。
「おはようございます」
囁くような声が明日香の耳元で聞こえた。それは空耳ではなく、確かに後の彼女が明日香に囁いた声だった。
明日香は目を丸くして首だけで後ろを向くと、彼女の唇が耳に触れそうな位置にあった。彼女がもう1度囁いた。
「おはようございます」
熱い吐息を耳に感じ、明日香は中学生のように頬を赤らめた。
「あっ、おっ、おはようございます」
コクリと首だけで頷くような仕草をしながら、明日香は挨拶をした。それは2人だけに聞こえるような声だった。
電車が動き出した。手摺りに掴まる手に力が入る。
揺れが収まった時、明日香は彼女の胸の膨らみを背中に感じた。
彼女は分かっている。今まで偶然かもしれないと思っていたことも、必然だったのだ。昨日、降りる時に手を握ったのも、お尻を触ったのも、たまたまではなく、彼女が意識してやったことだったのだ。
明日香は上体だけで手摺りに寄りかかり、手を後に回した。
彼女は片脚を明日香の足にピタリと付けた。ひんやりとした張りのある感触。そして明日香は指先でその太ももに触れた。
その指先を彼女が優しく摘んだ。そして明日香と少し体の間隔を開けると、自分のスカートの中にその手を導いた。
そしていつもの急カーブに差し掛かったとき、彼女は明日香の手を自分の股間に強く押し当てた。少し湿ったショーツの上から感じる柔らかな肉の感触。
その中心を上下させるように彼女は明日香の指を誘導した。
明日香は前を向いたまま、彼女の誘導に従った。
そして、さっきよりも小さな囁き声が聞こえた。
「いいのよ」
明日香の神経が耳に集中する。
「いいのよ。触っても。もっと触って」
誘導していた彼女の手が離れても、明日香の指先は触り続けていた。
彼女の熱くなっていく吐息が、繰り返し耳に吹き掛かる。
やがて電車が減速を始め、乗客が大きく傾いた時、彼女は明日香の手を握りショーツの中に導き入れた。柔らかな茂みが指先に触り、熱く濡れた花びらの蜜までもがその指先に付いた。
そこで電車がホームに滑り込み、明日香は指を離した。
彼女、ここで降りて何処へ行くんだろう? 明日香の胸にそんな疑問がわき上がった。人に流されていく彼女を振り返る。
彼女は振り返ることなく電車を降り、人混みに消えていった。