秘湯の夜
6
翌17日、早朝。
いつも気が付くと朝になっている。
そう言えば、由里におやすみを言ったことがない。
いつも由里に逝かされて、そのまま眠りに落ちて、朝を迎えるパターンだ。
昨夜もそうだった。それにいつも私が逝かされてばかっかりで、私は由里を満足させていないけど、由里はそれでいいんだろうか?
それに、私は明日の昼にはここを出て、東京に帰らなくちゃならないのに。
それもまだ伝えていない。
今夜も来てくれるだろうか? もし今夜、会えなかったら。このまま……。
やだっ、そんなのやだよ。このまま会えずになんか帰れないよ。
私は今夜も露天風呂に入り、部屋に戻ると窓辺にもたれて、濡れた髪を乾かしていた。窓の外には相変わらずな退屈な景色が広がっている。
お願い。今夜も来て由里。私は手を合わせて祈った。
テーブルに置いた時計が、昨夜由里の来た時間を指していた。
私は何気にドアを見る。以心伝心? ドアの向こうからいつも由里のノック。
「璃緒ちゃん。いる?」
「由里?」
私は鍵を開けドアを細く開いた。由里の顔がドア隙間に現れた。
「由里。よかった来てくれて。とにかく上がって」
「うん」
私と由里はローテーブルを挟んで座った。
「ねぇ由里。私、明日の昼に東京へ帰るの」
「そう。明日……」
由里はちょっと悲しげに俯いた。でもすぐあの天使の笑顔で笑ってくれた。
「ねぇ、由里。明日の昼間どっかで会えない?」
「あたし、昼間は用事があるの……」
「そう……なの。残念だなぁ。じゃ、今夜が最後だね」
「璃緒、また来てくれる? ここに」
「うん。来るよ」
「本当に? 何があってもまた来てくれる?」
「もちろんよ。年末にでも来たいくらい。一緒にクリスマスを過ごそうか」
「うん。ありがとう。うれしい。あたし待ってるわよ。本当に待ってるわよ」
「うん。その時は、またここを予約するから」
「本当に来てね。璃緒」
「じゃ、指切りしよう」
彼女の細い小指が私の小指に絡まった。ちょっと冷たい指だった。でもその指は真剣に私の小指に掴まっていた。離れたくないとでも言うように。
それはちょっと小指が痛いくらいの指切りだった。
由里は指切りからそのまま私を引き寄せて、甘い甘いキスをしてくれた。その場に崩れ落ちそうになる私の背中に腕を回して支えてくれた。由里は寝室へ私を運ぶと、布団の上に立たせた。
「璃緒……」
由里は両手で私の顔を挟んでキスをした。2枚の舌が互いを舐め合う。
これだけで自分を止めることが出来ない。いつもの不思議な由里のペース。
「今夜も縛る? 別にしなくてもいいけど」
「ううん。由里の好きにして」
「本当。じゃ後向いて。両手も後よ」
「こう?」
私は言われるままに両手を後ろで組んだ。するとやっぱり、思った通り由里は、浴衣の帯で両手首を1つに縛った。そして私を布団に仰向けに横たえると、私の足の方を向き、顔を跨いで立った。
部屋は暗いけど、下から由里のアソコが見える。
すると由里は膝を曲げ腰を下ろしてきた。私の目の前にアソコが迫ってくる。もう首を上げれば届きそうな所に、ほんの10センチ先に由里のアソコがある。
「舐めて。舐めなさい璃緒」
由里はそう言うと、遙か上から私を見下ろしながら、最後の10センチの間隔を詰め、私の顔に柔らかな濡れた花びらを押し付けた。
私の鼻や口は蜜まみれになったけど、でも私は舌を由里の蜜壺に刺し入れた。
由里に気持ちよくなってもらいたい。いつも私だけだから、今夜は、今夜こそ、
由里に逝ってもらいたい。舌先が由里の真珠にとどいた。そこを集中的に、ピンポイントに舐め続ける。
「あぁぁ~。ああぁっ、そうっ、そうよ。そこっ、そこをもっと舐めて」
返事の出来る状態ではなかったけど、私はその行為で答えた。もう無心に、ただただ舐め続けた。
「そう、上手よ璃緒。ああぁぁ~いいぃっ。いいわぁ~。あぁぁん。うぅ~ん」
「さぁ、璃緒のも舐めてあげましょうねぇ~」
由里は被さるように腰を曲げ、私の脚を開かせると、その股間を覗き込むように顔を入れ、花びらの中を舐めてきた。指先で敏感な果実の皮を剥き、舌先で責めたてる。
「あっ、あぁぁ~、ずっ、ずるいよぉ。由里ぃ。ああっ、あぁん。あぁぁん」
毎晩私を飲み込んだ津波は、今静かに海面を盛り上げつつあった。
今日こそは、今夜こそ一緒に、一緒に行きたい。由里、お願い。一緒に逝こう。
全身を貫く快感に耐えながら、私は由里を逝かす事で精一杯だった。
「ああぁぁ~ああぁ~。璃緒ぉ、逝きそうぅ。逝きそうぅよぉ~」
ホントに。ホントに由里。嬉しい、私も、私も逝きそうよ。一緒に、一緒に逝こう。二人で一緒に逝こう由里。ねっ、お願い。一緒に逝きたいの。
「あぁぁぁ~。いっ逝くぅ~逝くっ、逝くっ、逝ちゃうぅ~璃緒ぉ~」
「あぁ、私も、私も逝くぅ~。由里、由里、一緒に。ああぁっ逝くぅぅぅ~」
2人の声は輪唱のように繰り返し、そして絡まっていった。
翌17日、早朝。
いつも気が付くと朝になっている。
そう言えば、由里におやすみを言ったことがない。
いつも由里に逝かされて、そのまま眠りに落ちて、朝を迎えるパターンだ。
昨夜もそうだった。それにいつも私が逝かされてばかっかりで、私は由里を満足させていないけど、由里はそれでいいんだろうか?
それに、私は明日の昼にはここを出て、東京に帰らなくちゃならないのに。
それもまだ伝えていない。
今夜も来てくれるだろうか? もし今夜、会えなかったら。このまま……。
やだっ、そんなのやだよ。このまま会えずになんか帰れないよ。
私は今夜も露天風呂に入り、部屋に戻ると窓辺にもたれて、濡れた髪を乾かしていた。窓の外には相変わらずな退屈な景色が広がっている。
お願い。今夜も来て由里。私は手を合わせて祈った。
テーブルに置いた時計が、昨夜由里の来た時間を指していた。
私は何気にドアを見る。以心伝心? ドアの向こうからいつも由里のノック。
「璃緒ちゃん。いる?」
「由里?」
私は鍵を開けドアを細く開いた。由里の顔がドア隙間に現れた。
「由里。よかった来てくれて。とにかく上がって」
「うん」
私と由里はローテーブルを挟んで座った。
「ねぇ由里。私、明日の昼に東京へ帰るの」
「そう。明日……」
由里はちょっと悲しげに俯いた。でもすぐあの天使の笑顔で笑ってくれた。
「ねぇ、由里。明日の昼間どっかで会えない?」
「あたし、昼間は用事があるの……」
「そう……なの。残念だなぁ。じゃ、今夜が最後だね」
「璃緒、また来てくれる? ここに」
「うん。来るよ」
「本当に? 何があってもまた来てくれる?」
「もちろんよ。年末にでも来たいくらい。一緒にクリスマスを過ごそうか」
「うん。ありがとう。うれしい。あたし待ってるわよ。本当に待ってるわよ」
「うん。その時は、またここを予約するから」
「本当に来てね。璃緒」
「じゃ、指切りしよう」
彼女の細い小指が私の小指に絡まった。ちょっと冷たい指だった。でもその指は真剣に私の小指に掴まっていた。離れたくないとでも言うように。
それはちょっと小指が痛いくらいの指切りだった。
由里は指切りからそのまま私を引き寄せて、甘い甘いキスをしてくれた。その場に崩れ落ちそうになる私の背中に腕を回して支えてくれた。由里は寝室へ私を運ぶと、布団の上に立たせた。
「璃緒……」
由里は両手で私の顔を挟んでキスをした。2枚の舌が互いを舐め合う。
これだけで自分を止めることが出来ない。いつもの不思議な由里のペース。
「今夜も縛る? 別にしなくてもいいけど」
「ううん。由里の好きにして」
「本当。じゃ後向いて。両手も後よ」
「こう?」
私は言われるままに両手を後ろで組んだ。するとやっぱり、思った通り由里は、浴衣の帯で両手首を1つに縛った。そして私を布団に仰向けに横たえると、私の足の方を向き、顔を跨いで立った。
部屋は暗いけど、下から由里のアソコが見える。
すると由里は膝を曲げ腰を下ろしてきた。私の目の前にアソコが迫ってくる。もう首を上げれば届きそうな所に、ほんの10センチ先に由里のアソコがある。
「舐めて。舐めなさい璃緒」
由里はそう言うと、遙か上から私を見下ろしながら、最後の10センチの間隔を詰め、私の顔に柔らかな濡れた花びらを押し付けた。
私の鼻や口は蜜まみれになったけど、でも私は舌を由里の蜜壺に刺し入れた。
由里に気持ちよくなってもらいたい。いつも私だけだから、今夜は、今夜こそ、
由里に逝ってもらいたい。舌先が由里の真珠にとどいた。そこを集中的に、ピンポイントに舐め続ける。
「あぁぁ~。ああぁっ、そうっ、そうよ。そこっ、そこをもっと舐めて」
返事の出来る状態ではなかったけど、私はその行為で答えた。もう無心に、ただただ舐め続けた。
「そう、上手よ璃緒。ああぁぁ~いいぃっ。いいわぁ~。あぁぁん。うぅ~ん」
「さぁ、璃緒のも舐めてあげましょうねぇ~」
由里は被さるように腰を曲げ、私の脚を開かせると、その股間を覗き込むように顔を入れ、花びらの中を舐めてきた。指先で敏感な果実の皮を剥き、舌先で責めたてる。
「あっ、あぁぁ~、ずっ、ずるいよぉ。由里ぃ。ああっ、あぁん。あぁぁん」
毎晩私を飲み込んだ津波は、今静かに海面を盛り上げつつあった。
今日こそは、今夜こそ一緒に、一緒に行きたい。由里、お願い。一緒に逝こう。
全身を貫く快感に耐えながら、私は由里を逝かす事で精一杯だった。
「ああぁぁ~ああぁ~。璃緒ぉ、逝きそうぅ。逝きそうぅよぉ~」
ホントに。ホントに由里。嬉しい、私も、私も逝きそうよ。一緒に、一緒に逝こう。二人で一緒に逝こう由里。ねっ、お願い。一緒に逝きたいの。
「あぁぁぁ~。いっ逝くぅ~逝くっ、逝くっ、逝ちゃうぅ~璃緒ぉ~」
「あぁ、私も、私も逝くぅ~。由里、由里、一緒に。ああぁっ逝くぅぅぅ~」
2人の声は輪唱のように繰り返し、そして絡まっていった。