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あなたの燃える手で

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ピエロの方程式

12
国際犯罪テロ組織『CHIMERA EYE』(キメラアイ)のサラ・スペンサーは、
神宮司博士の開発した時空方程式とワープ装置のデーターを強奪した。
この装置と数値があれば、人は一瞬で任意の場所へワープできる。
しかしその時空方程式に入力するワープ数値が見つからなかった。
ワープ数値とは、ワープのもっとも基本であるこの方程式に当てはめる108桁
の数値で、任意の場所へ行くための座標のようなモノだ。
全てのデーターをコピーしたはずのサラだったが、神宮寺博士はこの装置と方
程式の悪用を恐れ、ワープ数値のコピーが出来ないように何らかの細工をして
いたのだ。
サラは神宮司博士の1人娘『神宮寺ミサキ』の通う時任学園の数学教師のとな
ってミサキに近づいていた。
しかし数値のありかの手掛かりとなるようなモノは発見できなかった。

「だめです、彼女の部屋からも何の手掛かりも見つけられませんでした」
「でもどこかに、どこかにあるハズよ。あれだけの研究、そして開発。簡単に
無に帰してしまうにはあまりにも惜しいわ」
「しかしワープ数値は108桁の数値です。それだけの数値を一体どこに……」
「おそらく何かに記憶させているハズよ。災害や今回のようなテロに遭っても
安全などこかに。そう、災害にあっても大丈夫と言うことは研究所から離れた
場所。だからミサキの身辺と思ったけど、ソコにないと言うことは……」
「彼女の携帯や持ち物でしょうか?」
「いつなくすかも分からない携帯に、ワープ数値があるともはチョット考えに
くいわね」
「するとあとはミサキ自身……」
「ミサキ自身? 彼女の体……。そうね、もしかしたら数値はあの子の体にあ
るのかもしれないわね」
サラの唇がニヤリと嗤った。

数日後、サラはミサキが体育の授業で校庭にいる間に、彼女の飲み物に薬を入
れた。陸上部の彼女はみんな自分のボトルを持っていて、練習中に水分を補給
するのを知っていたのだ。
薬は組織で開発された睡眠薬で、部活の練習中でもその効果は期待できる。
放課後、薬を飲んで練習中に倒れたミサキは、2人の部員達に肩を貸され保健
室にやってきた。
サラはそんなミサキを、自宅に送ると言って車に乗せた。


目が覚めると、ソコは見知らぬ場所だった。
病院を思わせる白い壁に白い天井。しかし自分が寝ているベッドは大きく、病
室のそれとは違う。
部屋には窓も時計もなく、今日が何月何日かも分からない。それどころか、今
が昼か夜かも分からないのだ。
室内はエアコンが効き、毛布が首元まで掛けられていて寒いことはない。しか
しその体に服の感触はなかった。自分が全裸でココに何時間か寝ていたのは間
違いなさそうだ。
そんな白い部屋の壁に大きな油絵が掛かっていた。それはどこかの港の絵で、
水平線に沈む夕日が茜色の光を放射状にまき散らし、その光の一部が、港の帆
船を美しく照らし出していた。

ミサキがボンヤリとその絵を眺めていると、ドアがノックされサラが姿を荒ら
した。
「あっ、先生……」
「うふふっ、お目覚めかしら? ミサキちゃん」

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土