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あなたの燃える手で

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ピエロの方程式


★★★ 2011 Xmas Special ★★★


ピエロの方程式


PROLOGUE
「 "時空方程式" および "ワープ数値" 入力よし」
「 "時空間振動数" 毎秒1億2千万回から1億4千万回に上昇」
「ワープ数値を確認。時空間振動数が毎秒3億6千万回に到達次第ワープを開
始する」
「時空間振動数毎秒1億8千万回に上昇中。30秒後には3億6千万回に到達
します」
「 "重力0(ゼロ)の公式" 入力準備よし」
「 "時空間突入速度" 振動数と同調開始します」
「時空間振動数毎秒2億8千万回に上昇」
「ワープ開始10秒前、9,8,7」
「時空間振動数毎秒3億回を突破」
「6,5,4」
「重力0の公式入力、確認よし」
「振動数3億4千万から5千万へ」
「3.2」
「振動数3億6千万回に到達」
「突入速度、振動数と同調」
「1,0,ワープ……」
その瞬間、空間が歪みそして破れた。




閑散とした地方の山間部。
そんなのどかな一角に、物理学者『神宮寺宗一郎』の研究所はあった。
この研究所では今、世界初のある実験が行われていた。
それは "時空間移動実験" 。すなわちワープ実験である。
スーパーコンピューターと繋がった巨大な実験装置には、丸窓の付いた密閉さ
れた同型の金属の箱が2つ、1メートルほどの間隔を開けて設置してある。
2つの箱はまるで双子のようだが、唯一違っているのは、右の箱にはマウスが
1匹入っているコトだ。何も知らない白いマウスは、今は箱の隅で大人しく丸
まっている。

この装置には、ワープに必要な情報が全て入力できる。
ワープのもっとも基本である "時空方程式" 。この方程式に当てはめる "ワープ
数値" は、任意の場所へ行くための108桁の数値で、言わば座標のようなもの
だ。そして "時空間振動数" は、時空間突入時に起こる空間振動数のコトで、
これは毎秒3億6千万回がもっとも抵抗が低いとされている。
"重力0の公式" は、時空間突入時に被験体の質量を0にし、空間振動の抵抗
を最小限にするもので、緩衝材的な役割を担っている。時空間突入速度は文字
通り、時空間突入時のスピードのコトだ。

秒読みと共にワープのスイッチが押された。空間の歪みは一瞬の波動を伝え、
その圧力は装置外の人間の鼓膜をも僅かに圧迫した。
そして被験体であるマウスは、破れた空間の亀裂へと吸い込まれ、、左の箱へ
と移動した。とは言っても、これら一連の動きは光よりも早く、到底肉眼で見
るコトは出来ない。つまりマウスが消えるのと、隣の箱に現れるのは限りなく
同時刻なのだ。
左の丸窓から見えるマウスは、自身がワープしたことも感じていないのか、相
変わらず隅で丸くなっていた。
「成功ですね、博士」
「あぁ、ようやくここまで来れたよ。コレもみんなの協力のおかげだ。本当に
ありがとう」
白衣を着た10人もの研究員が宗一郎を取り囲み、口々に祝いの言葉を口にし
ては握手を求めた。研究室に笑顔が溢れ拍手がこだました。しかしそれは長く
は続かなかった。

突然ドアが蹴り破られ、土色の迷彩服を着た3人の男と1人の女が現れた。
女も同じ迷彩服を身に纏っている。小さな顔に大きな目。その端正な顔立ちは
彼女がハーフだと伺わせる。ショートヘアーを掻き上げたもう一方の手には、
黒い拳銃を持っている。
男達の持つ3つのマシンガンの銃口が、職員達に向けられた。
「な、なんだおまえ達は……」
「あなたが神宮司宗一郎……?」
「神宮司は……、わたしだが……」
「そう、結構イイ男じゃない。あたしは興味ないけど」
そして仲間の1人に振り向いた。
「早速準備に取りかかって頂戴……」
すると1人の男がジュラルミンのアタッシュケースを机に載せた。中はPCに
なっており、それにスーパーコンピューターから数本のケーブルが繋がれた。
「何をする気だ」
「お前の時空方程式とその数値、そしてこの装置のデーターを戴くわ」
「なんだと……、おまえ達は一体……」
「国際犯罪テロ組織『CHIMERA EYE』(キメラアイ)よ」
女はそう言って、宗一郎にウインクをした。
「データーの転送を急いで」
「了解……」
そして数分後、全てのデーターが転送された。
「それじゃ、そろそろ引き上げましょうか」
次の瞬間、3つのマシンガンが一斉に火を噴いた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土