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あなたの燃える手で

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眠れない羊たち

第24話:儀式 2
「めかくし様はこの島に伝わる古代信仰だって……。この島の案内にも書いて
あったわ……」
「この島の案内ですか……。そう、いかにもめかくし様はこの島に伝わる信仰
です。でもそれは今でも、脈々と受け継がれているのですよ」
「今でも……?」
「その案内には、こうも書かれていませんでしたか? その習わしの際に女が
1人いなくなると。それで "めかくし" という字は "女隠し" と書くのではない
かと」
そんなまさか、それは昔のことで。今の日本でそんなコト……。
「ところが、ココではそんコトが今でも行われているのです」
「信じられないかも知れないけどね……」
天蜂尼と百合子は、余裕綽々といった顔で微笑んでいる。
「でも……、どうして、どうしてあたしなのよ」
「「贄」は誰でもいいというわけにはいきません。まず女であること。そして
年齢は干支を2回迎える前であること。本来は処女であるべきですが、昨今で
はそれは難しすぎますからねぇ」
「その条件を満たしていれば、誰でもいいってコトなの?」
「そうです。別にこの島の人間である必要はありません」
「そんなっ……」
「めかくし様はこの島を、疫病や飢饉、災害から守ってこられました。しかし
それには「贄」が必要なのです」
「狂ってる、あなた達は狂ってわ……」
「それでは、あたしをどうするつもりなのかという、2つ目の質問の答えま
しょう。でもその前に、あなたにもめかくし様を……」
天蜂尼は奥の院の突き当たりの壁に置かれた、高さ1.5メートル程のまるで棺
桶を立てたような木箱に向かって歩いた。
木箱の正面は観音開きの扉になっている。
「さぁ、ご開帳ですよ」
天蜂尼は扉の鍵を開けると、その扉をゆっくりと開けた。
「こちらが……、めかくし様です」

そう言った天蜂尼が木箱の前から離れると、ようやく箱の中が見えた。
中には古い石仏が1体置かれている。しかし今の真紀には、ソレは人形にしか
見えない。
しかし人形と言う言い方は、少々可愛らしすぎるかも知れない。
何故ならその姿は、右手に鎌、左手に男根を持っていたからだ。
しかし残念なから、数百年の時を経た今となっては、顔の作りはすり減ったよ
うにノッペリとしてしまい、僅かに鼻が盛り上がっている程度で、その容姿を
伺い知ることは出来なかった

「あなたは今から、このめかくし様の「贄」となるのです。めかくし様は女が
好きな神様です。特に若い女の蜜がことのほか大好きなのですよ」
「蜜……?」
「そうよ。蜜はアソコを濡らす蜜のコトよ。真紀ちゃんは濡れやすいから、いっぱい採れそうね」
「採れる? 採れるって……」
「若い女の蜜が好きなめかくし様に、その蜜を塗りつけていくのです。それも
逝く寸前の蜜をね。だから顔が磨り減って無くなってしまっているでしょう」
「えっ……」
「とりわけ逝く寸前の蜜がねぇ~」
「なっ、何を言ってるの? やっぱりあなた達は狂ってる。狂ってるわ」
しかしもう天蜂尼は、真紀の声には耳を貸さなかった。
「それでは始めましょうか、百合子さん」
「はい、天蜂尼様」
「ジックリと焦らして、タップリと蜜を採るとしましょうか」
「はい、勿論……」


沙織はポケットから掌に載るほどの黒い四角いモノを取りだした。
そして何かのスイッチを入れると、小さな赤いライトが点滅を始めた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土