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あなたの燃える手で

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眠れない羊たち

第23話:儀式 1
百合子の車が方天寺に到着した頃、真紀は助手席で眠っていた。
「ふふふっ、よく眠ってるわね」
百合子は車を駐車場に止めると、朦朧とした足取りの真紀を連れ、蜂天寺の門
へと向かった。
「ほらっ、真紀ちゃん。しっかりして……」
「女将さん、あたし……、なんでこんなに……、眠いの……」
百合子は真紀に肩を貸すように門へと歩いていく。
そんな二人を見下ろすように、門の脇に天蜂尼は姿を見せた。
「まぁまぁ、百合子さん。手はず通りですねぇ」
「はい、蜂天尼様。朝食に睡眠薬を入れましたから……。これですぐにでも儀
式を始められます」
「はいはい、準備は出来ていますよ……」
蜂天尼と百合子は怪しく微笑むと、真紀を奥の院へと連れて行った。


沙織はバイクを蜂天寺の前で止めた。
駐車場には百合子の車が見える。
「やっぱり……。このタイミングだと思ったわ」
沙織がヘルメットを脱ごうとしたとき、庄屋の時江が蜂天寺へと入っていくの
が見えた。
沙織はそれを見届けると、改めてヘルメットを脱いだ。
首を振って髪をほぐすとバイクを降り、蜂天寺の門を一人でくぐった。


真紀は朦朧とする意識の中、服を脱がされ全裸にされた。
抵抗を試みるも、体が言うコトを聞かない。
「あっ、いやっ、女将さん、なっ、なにを……。あぁやめてっ」
「さぁ、ここに……」
それは以前百合子が縛り付けられた、黒い漆塗りの台だった。
真紀はそこにX字形に磔にされた。
手足は引っ張られたようにピンと張り、両脚はもちろん大きく広がっている。
「ふふふっ、先ずは思う存分嬲ってから……。ですね、蜂天尼様」
「勿論ですよ。さぁ、早速始めましょう」
天蜂尼は喜々とした顔で真紀のものへと歩み寄った。
「こんにちは。初めまして夏宮真紀さん」
「あなたが天蜂尼……」
真紀は天蜂尼を見上げながら言った。
「えぇ。そうですよ」
「どうしてこんなコトを……。あたしをどうするつもり」
「まぁまぁ、矢継ぎ早に質問を2つもして。そうですねぇ、それではまず最初
の質問……。どうしてこんなコトをするのか? という質問から答えるコトに
しましょうか……」
「……?」
真紀は黙ったまま天蜂尼の言葉を待った。
「あなたが今こうしてここに繋がれているのは、それはあなたが「贄」だから
です」
「えっ? 「贄」? 「贄」ってなんなの」
「ふふふっ。「贄」とはそのままの意味。つまり生け贄のコトです」
「生け贄……? 生け贄って……、何に……」
「勿論、めかくし様にですよ」
「めかくし様って……」
天蜂尼の言葉を聞き、真紀は息を飲んだ。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土