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あなたの燃える手で

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Sweet Poison

   ★★★ 2011 Xmas Special ★★★



Sweet Poison



Prologue
12月24日、雪のクリスマスイブ。
今年も氷見川麗子の屋敷で、恒例のクリスマスパーティーが始まろうとしてい
た。メンバーは麗子にメイドのマリア。そして招待客として「カフェ・アマデ
ウス」のママ加納良子と、その店の女子大生のバイトの響子だ。
代わり映えのないいつもの顔ぶれだが、それが楽しくもあり、今年も無事に終
わろうとしている証のようでもあり、嬉しくもあった。


「メリークリスマス、マリア」
響子の元気な声が、氷見川邸の玄関から聞こえた。
しかしその声に、奥から現れたのは麗子だった。
「あらあら、いらっしゃい響子ちゃん。それに良子も」
「麗子さん、メリークリスマスです」
「こんばんは。お邪魔しますね」
しかし、いつもはスグに出てくるマリアが、今夜はその姿が見えなかった。

「あのう……麗子さん、マリアは……」
「今ね、パーティーのお料理を作ってるの。チョット手が離せないみたい」
「へぇ~、そう言えば、なんかイイ匂いがするぅ」
「さっ、とにかく上がって。もうお料理も出来る頃だから」
2人はコートを脱ぐとイイ匂いを辿るように、麗子の後を食堂へと歩いた。

食堂のドアを開けると、そこではマリアがテーブルに料理を並べていた。
そんなマリアが、3人の話し声に振り向いた。
「きゃー響子ぉ、メリークリスマス~。それにママさんもメリークリスマス」
「メリークリスマス~、マリア」
「メリークリスマス、何だかあたしはとって付けたような言い方じゃない? 
マリアちゃん」
「そんなことないですよぉ~」
「そうだよ、ママはスグひがむんだからぁ。それにしてもイイ匂いだねぇ」
「マリアちゃんお料理上手だから……。今度教えてもらおうかしら?」
「またそんなコト言ってぇ~。ママはマリアを食べたいんでしょう?」
「あっ、成る程。そう言うことなのね、良子」
「まぁ、その気がないと言えば嘘になるけどね」

テーブルには既にプチトマトのツナ詰めに、かぶのサラダとほうれん草のサラ
ダが置かれている。そこへニョッキのトマトソースがけとマカロニグラタンが
運ばれ、キノコがたっぷりと入ったスープとフランスパンが添えられた。
「えぇっ、こんなイッパイ食べられないよぉ、マリア」
「デザートも色々作ってあるからね、響子」
「うん、そっちは別腹で……」
「まぁ、響子ちゃんたら。その調子でお店のケーキも食べてるんじゃない?」
麗子が笑うと、それにママが続いた。
「やっぱりそうなの? 道理でケーキの数が合わないと思ったわ」
「そんなぁ、あたし食べてないですからぁ~、残念!」
「響子、それ古いよぉ」
大皿に載ったローストチキンを持ってきたマリアが、響子の背中で言った。
「えっ、まだあるのぉ? 本当に作りすぎだってばっ、マリア」
「そう言いながら、毎年ペロッと食べちゃうクセにぃ」
「でもあたし、全然そんな風には見えないでしょう」
「そうねぇ、響子ちゃんはスリムだものねぇ」
「ほらぁ、麗子さんだってああ言ってくれるじゃない。でしょう? ママ」
「あらっ、あたしは別に何にも言って無いわよ」
「大体マリアがそんなコト言うから……。あれっ? マリアは?」
マリアはキッチンから、大きなナイフとフォークを持ってみんなのトコロに
やってきた。そしてローストチキンにフォークを突き刺すと、それをナイフで
器用にに切り分け、用意してある皿に盛りつけていった。
「はい、ママさんどうぞ……」
「あらっ、ありがとう。マリアちゃん」
満面の笑みでママがマリアから皿を受け取った。

燭台の蝋燭にも火が点され、楽しい会話と笑い声の中で時は過ぎ、マリアが
テーブルに4つのデザートを運んできた。
「まぁ、美味しそう……。今年も頑張ったわねマリア」
「はい、麗子様」
マリアが明るくニッコリと笑った。
「まずコレがリンゴの赤ワイン煮。そしてコレがチョコレートプリンで、こっ
ちが抹茶のムース。そんでもってコレが栗のタルトでぇ~す。どうぞお好きな
モノを……」
「マリアちゃん、ケーキ作りも上手ねぇ」
ママが並んだケーキを見て感心した。
「お店のケーキより、マリアの作ったケーキの方が好きなんだよねぇ、ママ」
「あらっ、だって本当に美味しいんだもん」
「さぁ、良子も今日ちゃんも……、どれにするの?」
「それじゃ、ここは一つジャンケンで……」
そう言って響子がグーにした右手を突きだした。
「いいわよぉ」
「ほらっ、マリアちゃんも一緒に」
「はぁ~い」
「それじゃいくよ……、最初はグー」
「ジャン、ケン、ポン」
伸ばされた4本の手。そのうちの3つがパー。そして一つがチョキだった。
「えっ、あたしっ……?」
勝ったのはマリアだった。
「あらっ、マリアちゃん。いいのよ、好きなの選んで」
ママがマリアに寄り添い、顔を近づけた。
「うん、それじゃ……あたしは、コレッ」
マリアが選んだのは抹茶のムースだった。
「あらっ、いいわねぇ」
マリアの横でニコニコしていたママが、響子にウインクをした。
すると響子が、ポケットから出したモノをマリアに差し出した。
「マリア、コレもあげる」
響子の手には、ウイスキーボンボンが一つ乗っていた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土