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あなたの燃える手で

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保健室にいらっしゃい

第2話:図書委員『北山美由紀』

【2-1】
狭い本棚の間を通り抜けたとき、あたしは彼女を見つけた。
図書委員の『北山美由紀』。
彼女は図書室の1番奥で小さな机に座り、小さなノートPCを見つめていた。


1週間借りていた本を返しに、あたしが図書室に行ったのは昼休みのコトだっ
た。滅多に足を踏み入れることのない図書室に、あたしはそれを返す棚がドコ
だったかすっかり忘れていた。
図書室に白衣姿というのがどうにもそぐわない。しかしその日は肌寒く、雨降
りだったコトもあり、深閑とした図書室には彼女以外に人気はなかった。その
コトがあたしを少しホッとさせた。
「北山さん……」
「あっ、栗山先生。珍しいですね、図書室に来るなんて」
チョット驚いたような彼女は、肩で切り揃えた黒髪を揺らした。
「どうしたんですか?」
「あのね、この本を返しに来たんだけどね、返す場所がわからなくって……」
あたしは手にしていた医療関係の本を彼女に見せた。
「あぁ、コレッ。先生が借りてたんだぁ。お医者さんの本なんて、誰が借り
たんだろうと思ってたんですよぉ」
そう言って彼女はこめかみに手をやると、いかにもオタクを思わせる黒縁のメ
ガネを持ち上げた。その下の大きなその目は、いつも泣きそうに潤んでいる。
それで付いたあだ名が「ウル子」だと、麻理ちゃんが言っていた。

「先生、その本あたしが返却しておきますから」
可愛い笑顔で彼女が片手を差し出した。
あたしがその手に本を渡すと、彼女は椅子から立ち上がった。
その動きはいかにも運動神経の悪そうな感じだ。基本的に彼女は全ての動きに
キレがない。
「何だか悪いわね」
「いいえ、そんなコトないです。あたしこう見えても図書委員ですから」
「それじゃお言葉に甘えて、お願いするわ」
「はぁ~い」

彼女が本棚の向こうへと見えなくなると、あたしは彼女の座っていた場所に
入れ替わるように座った。
目の前にはノートPCがあるが、画面はスリープして真っ暗になっている。
彼女は本棚の向こうに消えてしまった。
あたしは手持ちぶさたに、キーボードの適当なキーを押した。すると突然PC
がスリープから目覚め、そこに煌々としたカラフルな画面が現れた。
あたしは最初それがただのアニメだと思った。
ソコには綺麗な女性が2人、画面から飛び出すすようなポーズをとっている。
しかしそれはよく見れば、1人の女性は裸で、四つん這いになった頭をこちら
に向け、その後ろにはピンクのナース服を着た女性が立ち、何やら銀色に光る
医療器具を拳銃のように構えている。
女性は2人とも二十代半ばくらいだろうか、1人はピンクの、もう1人は緑の
髪を振り乱し、その全身には何やら質感タップリの汗も掻いていた。

「チョッ、チョット、なぁにコレ? もしかして……、エロゲー?」
そう思って辺りを見回したが、誰もいない。
そうか、確かにココなら壁を背にしているし、図書室の1番奥だし、誰にも見
つからずにこんなゲームも出来るかも知れない。
「それにしてもエロゲーって、北山さん……」
あたしの中で、イケナイ温度がジワジワと上がりだし、それはアソコの粘膜を
濡らし、淫らな血液を全身へと送り込み始めた。

やがて笑顔で彼女が戻ってきた。
「先生、返却しておき……」
あたしの見つめる画面に気付き、彼女の顔が凍り付いた。
「北山さん、あなた、こういうのが好きなの?」
「えっ? あっ、あのう……」
「コレッ、凄いわね。女同士でこんなコト。絵も綺麗で艶めかしいわ」
「す、すみません先生。没収していただいて結構です」
彼女の目はもう最高潮にウルウルだ。
「あらっ、あたしはそんなコト……。それにそれは、あなたの担任の先生にお
任せするわ」
「じゃあ……」
あたしはここで声のボリュームをぐっと落とした。
「このコトは内緒にしといてあげるわ。その代わり教えて北山さん。ううん、
美由紀ちゃん。美由紀ちゃんはこんなコトされてみたい? 女の人に」
「えっ、それはぁ……、あの、本当はチョットだけ……シテみたいです」
「チョットだけ? 本当? 本当は興味あるんじゃないの?」
「そ、そんなっ、それは単なる妄想で、別にあたしは……」
「いいのよ、シテあげても。あたしが美由紀ちゃんをこのゲームみたいに虐め
てあげる。どう?」
「先生……」
「あらっ、あたしは保険医よ。こういうコトは得意なの」
わずかな沈黙の後、彼女は呟いた。
「あ、あたし、先生なら……、イイかも」
「誰にも秘密にしておけるなら、放課後、保健室にいらっしゃい」
「えっ……、本当に……?」
「本当よ。今日の放課後、保健室で待ってるわ」
「あ、あたし行きます。放課後になったらスグに……。だから先生待ってて」
「うん、いいわよ。美由紀ちゃんを待ってるわ」
「なんかあたし、ドキドキしてきちゃった」

あたしは立ち上がると、図書室を後にした。
あたしを見送る北山美由紀の視線を、背中に感じながら……。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土