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あなたの燃える手で

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官能作家二階堂月子

官能作家二階堂月子 ~番外編~

【1】
時刻は夜の10時。他人に電話をするにはチョット遅い時間だ。
あたしは躊躇いながらも携帯を出すと、3日前にアマデウスというカフェの女
の子からもらったメモ書きの番号を押した。確か名前は響子だったか……。

時間が時間というコトもあって、相手はスグに出てくれた。
「はい……、もしもし……」
「あっ、あのうあたし、この前……、3日前だけど、お店であなたからこの番
号を書いた紙をもらって」
「あぁ、はい。憶えてます。あれから年上の人と、可愛い女の子が来た人」
「あぁ、はい。そうです」
「3人ともアイスレモンティー飲んだ……」
「そうです、そうです」
「わぁ、掛けてくれたんだぁ、ありがとう」
「いえっ、そんなっ。それで……」
「ねぇ、今度会いませんか? それでこの間の続き……」
「この間の続き?」
彼女が言っているのは、メニューを見るふりをして、あたしがあのスベスベの
太腿を触った時のコトだ。でもあたしは恥ずかしもあって、百も承知でとぼけ
てみた。
「だからぁ……」

結局あたしは全部相手に言わせ、彼女の申し出を受けることになった。
内心ドキドキしながら、チョット困ったフリをして、それでもあたしは喜んで
いた。だって、だってやっぱりあたしは女の人が……、好き。
先生には悪いけど、別に浮気にはならないだろう。確かにそういう関係を持っ
たけど、恋人ではないと思う。
でも何でだろう? チョッピリ罪悪感は感じる。


翌日、あたしは車で彼女と待ち合わせした場所へと向かった。
場所は『夢の森駅』の前にある、バスロータリーの入口近くだ。幹線道路の端
に車を止め、あたしは彼女を待った。
横断歩道を渡る人の群れから、ミニスカートを履いた綺麗な脚を見つけるの
に、さして時間は掛からなかった。

「響子ちゃぁ~ん」
あたしはウインドウを下げ、彼女に向かって手を振った。
「あっ、陽子さぁん」
彼女もあたしを見つけると、笑顔で車に駆け寄った。
「待ちましたぁ?」
彼女は助手席のドアを開けると、車に乗り込んだ。
「うぅん、全然。さっ、行きましょう」
彼女がシートベルトをすると、あたしはゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
買っておいたジュースとお菓子を彼女に勧め、あたしは車をこの前先生と璃子
ちゃんと行った、あのホテル街へと走らせた。

あたしがホテルに車を入れても、響子ちゃんに驚いた気配は無かった。
フロントで選んだ部屋は3階。
エレベーターに乗ると、響子ちゃんはいきなりあたしを抱きしめた。そして唇
を重ねると、強引に舌をねじ込んできた。
「きっ、響子ちゃん……」
「陽子さん。陽子さんってMでしょう」
「えっ?」
「あたし判るんだぁ、そういうの……。ねっ、そうでしょう?」
「えっ、まぁ、そうだけど……」
「やっぱりねぇ。あたしそういう人大好き。友達にもいるの、Mでとっても敏
感な子が。ちょっとドジなんだけどね。そこがまた可愛いの」
「へぇ……。っていうことは、その友達とも?」
「うん、こういうコトするよ。時々ね……」
「まぁ、悪い子ねぇ」
「陽子さんだって、好きなクセにぃ」
彼女がまたあたしに抱きつき、唇を重ねる。ネットリと舌を絡ませたそれは、
さっきよりもずっとネチッこいキスだった。
エレベーターの扉が開くと、あたし達は腕を組んで廊下を歩き始めた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土