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あなたの燃える手で

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官能作家二階堂月子

【23】
あたし達3人は、土曜日の午後1時にアマデウスで待ち合わせをした。
1番早く来たのはあたしだった。早いと言っても、20分も早いのだから当然
かも知れない。
いつか見たバイトの子がこっちに歩いてくる。今日も短いスカートで、その綺
麗な脚を惜しげもなく披露している。
「いらっしゃいませ」
そう言って彼女はあたしの真横に立った。
あたしはメニューを手にし、横目でチラチラと彼女の太腿を見た。
そんなあたしの視線に気が付いたのか、彼女があたしに少し近づいた。
それは "どうぞ触って" と言わんばかりに太腿をあたしに寄せている。
あたしは片手をテーブルの下に入れ、自分の脚の上に置くと、その手をずらし
て自分の脚の横に持っていった。
もう手と彼女の太腿はわずか数センチの距離だ。指を伸ばせば触れる。
その時、彼女の方からあたしの手に脚を近づけて来た。当然あたしの手の甲に
彼女の太腿が触る。
えっ? と思って彼女を見上げると、微笑みを湛えている彼女と目が合った。
彼女は少しだけ、太腿をスリスリとあたしの手に擦りつけた。それはもっと
触ってと言っているようだ。それに彼女は相変わらず笑っている。
あたしは手を返し、今度は手の平で触ってみた。
やっぱり彼女は動かない。
他の客からは、彼女の陰になってあたしは見えない。それをいいことに、あた
しは徐々に大胆になり、彼女の太腿の裏を撫でた。想った以上にスベスベな
肌。それを掌から指先まで感じる。
すると彼女が少し腰を屈め、小声であたしに囁いた。
「お客様……」
「あっ、ごめんなさい、あたし……」
「いいんですよ。あたしもそうですから。あたし、響子っていいます」
彼女は更に小さな声でそう言うと、白紙のオーダー表に携帯番号を書き、あた
しに渡した。その仕草はきっとメニューの説明でもするように見えただろう。

あたしの手は、彼女の太腿の内側にまで入り込んでいた。そのままスカートの
中に、そして……。イケナイ事ばかりが頭に拡がる。でも彼女なら、この子な
ら、そんな想いが止まらない。
彼女は出来るだけ時間を引き延ばしてくれているようだった。
しかしその時、先生が店に入ってきた。こんな時に限って時間よりも早い到着
をする先生を、あたしは少し恨んだ。

「今日は遅刻してないでしょう。たまには早く来なきゃねぇ」
先生はあたしの隣に座ると、一緒にメニューを覗き込んだ。
あたしはあわてて番号の書かれたオーダー表をバッグにしまった。
「お客様、ご注文は……」
「アイスレモンティー」
「あたしも」
「アイスレモンティーを2つですね」
彼女はチラッとあたし一瞥をくれると、そのまま厨房の奥へと消えていった。


それから5分後、1時ピッタリに水嶋璃子がやって来た。
あたし達は約30分をアマデウスで過ごすと、炎天下の外に出た。
「こっちよ」
てっきり先生の家にいくものだとばかり思っていたが、先生の歩き出した方向
は反対だった。
やがて先生は小さな駐車場に入った。
「ちょっとここで待っててね」
やがてあたし達の前に、先生の白いセダンが止まった。
「さぁ、乗って……」
あたしと水嶋璃子は、その車に乗り込んだ。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土