2ntブログ

あなたの燃える手で

Welcome to my blog

官能作家 二階堂月子

【22】
先生が水嶋璃子に言い出したこと……。
それは結局あたしの時と同じ、作品作りの協力要請だった。
あたしと先生があんなことになってから、取り敢えず1週間経ったけど……。
先生はあたしで味を占めたのか、同じ手で2匹目のドジョウを狙っているのは
間違いない。姑息と言ってしまえばそれまでだが、あたしもそれに参加できる
なら、美味しい話であることは間違いない。あたしはそう思って先生の側につ
くことにした。

「ねっ、どう? 水嶋さん」
「先生に協力してあげて、小説の世界に自分が入り込むなんて、チョット面白
そうでしょう」
「えっ、あっ、はいっ、それは、そうですけど……。でもぉ」
「でも、なに?」
「やっぱり抵抗ある?」
「あのう、その新作って……、どんなお話なんでしょうか?」
「あっ、そうね。それを言ってなかったわね」
「先生それって……」
そんな簡単に教えてもいいわけ? あたしはチョット疑問に思った。
「いいのよ。それで水嶋さんが強力してくれるなら……。ねっ」
そう言って先生は彼女に優しく微笑みかけた。それはもう最高の笑顔だった。
「タイトルはまだ未定なんだけどね、大まかなあらすじとしては、Sに目覚め
た人妻が、友人の人妻と女子高生を責めるって話」
これはまた随分と大まか説明だ。
「あっ、はい。あのう……、それで……」
「その娘役をやって欲しいの。あたし達が人妻役をやるから」
「あたしが娘女子高生役で、二階堂先生が人妻役……。ですか……」
「そうよ」
彼女の動きが俯いたまま停止した。
あたしはその後の彼女の反応を見守った。出来ればOKして欲しいのは言うま
でもない。でも相手は先生とあたし。女に責められるというこのシチュエー
ション。やっぱり難しい注文だったかも知れない。
あたしが諦めかけたとき、彼女が顔をあげて先生を見た。
その瞳はキラキラと輝いている。

「是非、是非お願いします。あたしそう言うの大好きです」
「えっ?」
断られるとばかり思っていたあたしと先生は、快く了承した彼女に、肩すかし
を食ったように拍子抜けした。
「あのう、あたし男の人ダメで……、こういうお話だからてっきり男性が相手
だとって思って」
「あっ、あぁそうだったの……」
見た目で人は判らないものだ。つくづくそう思った。
「それじゃ、協力してくれるのね?」
「はい、喜んでっ」
居酒屋のような返事をした彼女の顔は、満面の笑顔だ。
「あたしMだから、そういうの大好きなんです。女の人に責められるなんて、
ストライクど真ん中です。それってもしかしてSM……。SMなんですか?」
「まぁ、あるいはそんな展開も……」
「わぁ、いいです。あたしSM大好きですから。大丈夫です。それで、それで
いつヤルんですか?」
ヤルんですかって……、この子ったら……。
思わぬ彼女の反応に、さすがの先生もタジタジになるほどだった。

結局その日、決行する日は彼女の休日に合わせ、今度の土曜日に決まった。

Comments 0

Leave a reply

About this site
女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
About me
誠に恐縮ですが、不適切と思われるコメント・トラックバック、または商業サイトは、削除させていただくことがあります。

更新日:日・水・土