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あなたの燃える手で

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官能作家二階堂月子

【20】
硬直し痙攣を始めたあたしの体。しかし先生はそれを見ても、あたしに逝くこ
とを赦さなかった。

「まぁまぁ、小刻みに震えて、まるでもう逝っちゃってるみたいじゃないの」
「あぁぁ、逝かせてっ、逝かせて下さい。あぁ逝くっ、逝っちゃうっ」
「どう? 天国の境界線で焦らされるのは。天国が近い分地獄も辛い?」
「そ、そんな……、先生……」
「でも気持ちいいでしょう? これがずぅ~っと続くのよ」
「でも、でも、こんなの……」
「もう1度境界線に連れて行ってあげる。今度はもっと焦らしてあげる。時間
を掛けてじっくりとね……」
「いやっ、いやっ、もう赦してっ……」
「だぁ~めっ」
そしてまた指先が、あそこの上でクリクリと……。
「あぁっ、あぁぁ~ひぃぃっ、だめっ、逝くっ、また逝きそうに、あぁぁ~
逝っちゃうぅ、逝っちゃうぅ、あぁ逝く逝くぅぅ」
「ほぉ~らっ、ここでじっくりよぉ。もう体が硬直して震えてるわよ」
「あぁぁ~いやっ、逝かせてっ、逝かせてっ、あぁ逝く逝くっ、逝きそうぅ」
「んん~だめっ、まだまだ。限界を超えて焦らされた女がどうなるか、そん
なシチュエーションもいいわねぇ。ほらっ、ほぉ~らっ逝きたい」
「ひぃぃ~逝くぅ、逝く逝くっ逝かせてぇぇ~、あぁ逝っちゃう、逝っちゃ
うぅ、もうだめ逝くぅぅ~、逝くぅ、逝く逝く逝くっ、逝くぅぅぅ~」
「あぁ~辛い、あぁ~辛い辛い。ほぉ~らっ、このままネチネチと虐めてあげ
る。逝くに逝けない生き地獄をたっぷりと味わいなさい」
「いやっ、いやぁぁぁ~逝かせてっ、逝かせて下さい、あぁ先生お願いぃ~」
「まだよ、まだまだ。ほらっ、ここ。ここをクリクリされると、ほぉ~らっ堪
らない、クリクリクリクリ。ほらっ、ほらっ、ほらほらほぉ~らっ、」

そしてそれから本当に、少なくとも1時間。あたしは焦らされ続けた。
そしてようやくその時が……。そう、赦しの時が訪れたのだ。

「さぁ、逝くところを見せて頂戴、陽子ちゃん」
「あぁぁ~、逝かせっ、見てていいですから、もう、もう逝かせて下さい」
「ふふふっ、いい子ねっ。それじゃゆっくりと見物させてもらうわ」
そして指先がブレーキを忘れたように動き出した。今まで何度も止まったとこ
ろを通過し、天国の境界線を一気に踏み越えたのだ。
「ひぃぃ~、逝くぅぅ~、逝く逝く逝っちゃうぅぅ~、ひぃぃぃ~」
「んん~、指をこんなに、あぁ締まる締まる。凄い凄い。凄いわぁ」
そして腰がバネ仕掛けのようにに動き、あたしの中で何かが爆発した。
気が付くとあたしは縄を解かれ、テーブルの上に寝ていた。


こうして新作『蕩け妻』は無事書き上がり、先生はどうにか締め切りを守るこ
とが出来た。
しかし実はここからもう一波乱、いや、官能小説風に言うのならば、もう一絡
み合ったのだ。
それは書き上がった『蕩け妻』の原稿を彼女が取りに来たときに起こった。
彼女、それは『週刊じゅげむ』に今年入社した新人、「水嶋璃子」だった。
だってあたしと先生は、彼女の可愛さに1発でKOされてしまったのだから。
街を歩けばスカウトを受ける。そんな彼女にすれば、あたし達の反応は見慣れ
たものだったのかも知れない。
でもそれが、その可愛さが、彼女にとって禍した。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土