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あなたの燃える手で

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官能作家二階堂月子

【19】
あたしの脳裏に、クモの巣に掛かった蝶々が現れた。
蜘蛛は糸に絡まり動けない蝶々の急所に噛みついている。しかし蜘蛛はトドメ
を刺さず、ゆっくりと毒液を流し込んでは、ジワジワと相手の苦しむ様を愉し
んでいるのだ。
そして今また蜘蛛が、あたしの体に快感という猛毒を流し込んできた。

「ひぃぃ~逝くぅぅ~、逝くぅぅ~、はぁ、はぁ、もう、もうだめっ」
「まだよ陽子ちゃん。まだ逝かせてあげない」
「でも、でも、ひぃぃ~逝くぅ、逝っちゃいますぅ先生ぇ~」
「まぁ、そんなに指を締め付けて。逝きそうなのね。ほらっ、ほらほらっ」
「あぁぁ逝くぅぅ~、ひぃぃ~、だめっ、だめっ、逝かせてっ、逝かせてぇ」
「んん~、逝けそうで逝けない。もっとギリギリで焦らしてあげるわぁ」
「いやぁ、そんなっ、そんなっ、あぁぁ~逝く逝く、逝っちゃうぅぅ~」
「まだよ、まだまだ……、もっとギリギリまで」
「ひぃぃ~、だめっだめっ、あぁぁ~逝くぅ逝くぅ、逝く逝く逝くぅ~」
「んん~締まるわぁ。ほらほらっ、せいぜいあたしの指を締め付けなさい」
そう言いながら、指先をクリクリとほじくるように動かす。
「ひぃぃっ、ひぃぃぃ~」
「あぁ~締まる締まるっ、凄い凄い。ほらっ、まだよ。もっともっと……」
「あぁぁ~だめっ、だめぇぇ~、ひぃぃ~逝くぅ~。逝くぅぅぅ~」

どうぞ責めてくださいと言わんばかりに股間を開き、先生に敏感な場所をいじ
られている。そんなあたしの頭の中には、 "1秒でも早く逝きたい" もうそれ
しなかった。
息も絶え絶えなあたしに比べ先生は、涼しい顔で指を1本動かすだけだ。
しかも先生はそれを喜々として楽しんでいる。

「あとどれくらい焦らそうかしら、ねぇ陽子ちゃん」
「……」
「えっ、2~3分? あらあら、それは2~3時間の間違いでしょう?」
そんなに焦らされたら、本当に気が狂ってしまうだろう。
しかしそんなあたしを余所に、先生の残酷さはボルテージを上げ、その指先の
動かし方、特に力加減はもう、絶妙から精妙の域へと変わりつつあった。
もう先生の指は、あたし以上にあたしのあそこをよく知っているようだった。

「あぁぁ~逝く逝く、逝っちゃうぅ~、逝っちゃいますぅ先生ぇ」
「あぁぁ~、逝きそうねぇ、ほぉ~らっ、ほぉ~ら逝くっ、ほぉ~らっ」
「ひぃぃ~逝くっ……、逝くっ……、逝く逝く逝くぅぅ~、ひぃぃっ」
「ほらっ、また逝けない……。ほらっ、ほらほらほぉ~らっ」
「あぁぁ、逝かせてっ、逝かせて下さい。あぁまた、逝くっ、逝く逝くぅ」
「逝きたいの、逝きたいの、ほらっ、ほらほらほらっ、あぁ逝きそう、逝きそ
う、ほらほらっ、ほぉ~らどうだ。んん~こんなに指を締め付けてぇ」
「逝くっ、逝くっ、逝くっ、あぁ逝くっ、あぁ逝っちゃう……」
「ほぉ~らっ、ここが天国の境界線ねぇ。あともうちょっとで……」

そう、本当にあともうちょっと……。でも、でも……。

「ほぉ~らっ、このままジックリよぉ~」
「ひぃぃ~、いやっ、いやいやっ逝かせてっ、逝かせてぇぇ~」
「どう? 堪らないでしょう。ここまできて焦らされるのは……」

逝く寸前のあの絶頂感が、あたしを襲い続ける。
あたしの体は硬直し、細かい痙攣が始まっている。それは壁のひびから漏れ出
す水に似ていた。溜まりに溜まった快感が、あたしの体から漏れ始めたのだ。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土