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あなたの燃える手で

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白い魔女

 12
「それではよろしければ、ココに署名と捺印をしてください」
真弓は腕を伸ばし、『印』の字のあるところを指差した。白衣から白く綺麗な腕が覗く。
スラリと伸びた細い指が、赤いボールペンに絡まっている。当然のごとく爪は短く切られていた。
「はい」
ゆかりは『献体契約書』に署名し、持参した実印を押した。
「それと大概の物は部屋にそろってますが、必要な物があれば御堂に言ってください。それから一つ言い忘れましたが、現金を所持することは出来ません。何か購入したい物があるときは、全て御堂を通して購入してください」
「はい。わかりました」
その後ゆかりは借金返済に関する事や、ここでの生活についての詳細な説明を受けた。時計の針は午後4時を回っていた。

その後ゆかりは特別室に案内された。場所は院長室からエレベーターに向かって3つ目の部屋、廊下を仕切る2枚の自動ドアのすぐ横にある病室だった。
特別室と言っても、一般の病室よりも幾分広く、他の入院患者たちと顔を合わせないで済むと言ったこと以外、特別なことは無かった。ゆかりは必要な物をメモに書き出し、御堂に渡した。

その日の夜。消灯時間の9時30分を回ると、入院病棟の灯りが消され、窓から見えていた大銀杏が月に照らされ、黒いシルエットに変わった。その姿はまるで巨大な魔王がそこに降臨したようだった。
薄暗い廊下を歩く一人のナースが、ゆかりの部屋の前で立ち止まった。
控えめなノックの音の後、静かに開けられたドアから御堂雪絵が姿を現した。
「まだ寝てないでしょ。ゆかりさん」
「ええ、何か?」
「今夜はあなたの献体初夜でしょ。一緒にいらっしゃい」
御堂はゆかりの腕を優しく取ると、ベッドから半身を起こすのを手伝った。
こんな時間から一体どこへ行こうというのか。初夜という言葉に不安に駆られながらも御堂の後に従った。浴衣姿のゆかりは部屋を出ると少し肌寒さを覚えた。前を歩く御堂は2枚の自動ドアを抜け、昼間ゆかりが入った院長室の隣の部屋に入った。誰もいないはずのその部屋は、すでにエアコンが効いて寒さを感じなかった。部屋に入ると鍵を掛ける音が室内に響き、御堂が言った。
「ゆかりさん。今夜があたしとの初めての夜になるわね」
「えっ? あのう御堂さん、明かりを……」
戸惑うゆかりを余所に、御堂はゆかりの両肩を掴むとテーブルに押し倒した。
ゆかりより一回り大きい御堂がゆかりに覆い被さるようにのし掛かってくる。
浴衣の裾が大きく割れて、ゆかりの脚が太腿の付け根まであらわになった。その脚を月明かりが青く照らしている。御堂がゆかりの両手首を掴んだ。
「大人しくしなさい。あなたは献体なんだから」
御堂の顔が鼻が触れ合うほどに近づいた。

Comments 2

黒沢 にゃも  
あかん・・・

早く続き読みたい病が出てます。
もちろん、せかすつもりは無いんですが、凄く期待している自分がいます。
自分は、今書けないので、他の方の所を覗くしかないんですよね~。

あと、論文・・・イマイチ進み悪いです。
家帰ってからとかになりますからね@@;
結構キツイです。
天王山は10~12の連休ですね。
ここで終わらせられなければ、終わりでしょう(爆)。

はい、頑張ります!

2007/02/04 (Sun) 18:32 | EDIT | REPLY |   
蛍月  

どうもありがとう。
そういう人が一人でもいると、とっても励みになりますよね。
にゃもさんの、そして皆さんの期待を裏切らないよう、
頑張ります。

そうですか。論文、3連休が天王山ですか。
にゃもさん、頑張れ! ファイト1発!
いや、3連休だから、ファイト3発!ですか。

男はやるときゃやらにゃ! (^_^)v

2007/02/05 (Mon) 21:52 | EDIT | REPLY |   

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土