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あなたの燃える手で

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白百合忍法帳

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(慶安四年 七月十四日)

ここは鬼哭寺から北に一里ほど離れた所にある海竜院。
小高い山の上にある、墓地に囲まれた廃寺だった。日が沈めば、辺りはしっとりとした闇に包まれる。

今夜ここに、新たな生け贄となった夜鷹がいた。
薄汚れた白地に赤い鶴の絵柄の着物。その着物から伸びた白い腕は一つに縛られ、天井の梁から吊されていた。
項垂れた頭から伸びる長く乱れた髪は乳房に届き、両脚は限界まで開かされ、足が閉じられないように、その足首は太い竹に縛られている。
その夜鷹の前に、蝋燭を手にした一人のくノ一が立った。
くノ一は右手に持った蝋燭を夜鷹の股間に近づけた。揺れる炎に夜鷹の肉壺が煌々と浮かび上がる。
「ここで何人の男を咥え込んだのだ」
並みの男より遙かに大きな体、その声はどう聞いても男の声だった。
「汚らしい男のイチモツを・・・」
彼女いや男は、総髪の髪を掻き上げると、夜鷹の肉壺を鷲掴みにした。
「くぅぅ~……」
夜鷹が、幽霊のような薄幸そうな顔を歪めて呻いた。
「男のモノなどよりも、俺のモノの方が良いぞ」
そう言うなり、くノ一の股間から巨大なイチモツが生えてきた。
「どうじゃ、これでお前を楽しませてやろうなぁ~」
「いやっ、やめてっ! そんな大きなモノ無理だよ。壊れちまうよ……」
夜鷹はくノ一の股間から生えたモノを見て体を振って拒んだ。しかし梁から吊され宙に浮いた体は虚しく空を掻くだけだった。
くノ一は夜鷹の腰を掴むと、股間のモノを夜鷹に向かって突き入れた。
「ぎゃぁぁー!」
「どうじゃ、気持ちよかろう? ふふふっ、ふあはははぁ~」
男と化したくノ一の横に、もう一人の女の影が立った。
「二重火と楽しんだ後は、あたしが溶かしてあげるよ。少しずつねぇ~」
その指先から1滴の液体が床に落ちると、そこから白い煙が立ち昇った。
彼女は赤い襦袢を翻し、本堂の奥へと消えた。
それからしばらくの間、夜鷹の絶叫が鬼哭寺に響き続けた。

(慶安四年 七月十五日)

碧の長屋で養生していた柘榴も三日後には魚を売り歩いていた。
どうやら朧火は占いで浪人達に催眠を掛け、謀反の輩を増やそうとしていたらしいことがわかった。奇妙な浪人達の出現は止まったが、残り2人のくノ一の行方は用として知れなかった。

朝から江戸の町を厚い雲が覆い、今にも降り出しそうな日のことだった。
柘榴はいつものように橋を渡ると、長屋の並ぶ一帯に足を踏み入れた。

「あっ! 来た来たぁ! ちょいと~!」
それを待っていたかのように、いつかの町娘が手桶を持って走り寄ってきた。
「どうしたんだい? ここ二~三日、姿が見えなかったじゃないか」
「へい、あいすみません。ちょいと風邪をこじらせましてね」
柘榴は頭を掻きながらペコリと頭を下げた。
「気をつけておくれよ、本当に……。鯵はあるかい?」
「へいっ! イキのイイのが沢山……」
「おやっ、本当にイキが良さそうだねぇー! それを三匹おくれ」
「へいっ、鯵を三匹ですね! 今日はお詫びにもう1匹お付けしますよ」
「あらっ! いいのかい? すまないねぇ」
「いえいえ、とんでもない。ご心配お掛けしたお詫びですよ」
柘榴は鰯を掴むと、娘の手桶に4匹の鯵を入れた。
「ありがとう、恩に着るよ」
「へいっ! まいどありー!」

魚を売りつくした帰り道、柘榴は女の匂いのする総髪の男とすれ違った。

Comments 3

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2008/09/21 (Sun) 23:48 | EDIT | REPLY |   
蛍月  
◎さん、おはようございます。

魔界都市、面白いですよね。
自分の好きなキャラは、やっぱり・・・せんべい屋です。

写真ブログ、実はもうタイトルも、プロフの言葉も決まっているのですが、
今ひとつ踏ん切りがつかなくて躊躇しています・・・。
その理由は、
☆二つもブログ持って、大丈夫かな?
☆10月に新しいMacが出そうなので、それを買ってから。
 今使っているのがあまりにも古いヤツ(iBook)ですので、
 新しいMacの購入を考えています。

いずれにしても、写真ブログ開設は10月になりそうです。 
もし作ったら(たぶんエキサイト)、すぐに告知しますね。

2008/09/22 (Mon) 06:56 | EDIT | REPLY |   
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2008/09/22 (Mon) 08:43 | EDIT | REPLY |   

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土