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あなたの燃える手で

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死神イングリット

30
「さぁ、蘭。言うのよ。ずっとココにいると……」
「いやっ! あたしは帰りたいの! 帰りたいのよ、イングリット」
「いいの? 言わなければずっとこのまま生殺しが続くのよ」
蘭は1度もイングリットの名前を言わずにここまで来た。それはもし呼べばその部屋をもう1度、いやクリアするまで永遠に繰り返されるからだ。

(もし今、彼女の名前を呼んだらどうなるのだろう? やはりこの部屋が繰り
返されるのだろうか? 最後のこの部屋にあの6人の女達は現れない。イングリットとあの女達が一緒にいたことはない。逆にイングリットがココにいる限り、彼女たちは現れない。そして24時間が経過したら……本当に?)

「この部屋をクリア出来ると思うの、蘭」
「えっ?」
「本当にこの部屋をクリアできると思うの?」
「どういうこと?」
「アナタはこの部屋をクリア出来ないわ」
「どうして……?」
「それは、あたしがアナタ自身だからよ」
「あたし自身? どういうこと?」
「これは全て、アナタ自身の望んだこと……」
「どういうこと? 教えてイングリット!」
「ココにいると言いなさい。蘭。ずっとココでこの快楽を貪っていたいと」
「あたしは、あたしは……」
その時強烈な快感が蘭を襲った。
「あっ、あぁぁ~すっ、すごいぃ~。あぁ~感じるぅ。あぁっ、逝くぅ~」
それは今までにないほど強く、大きく、そして深いものだった。しかし蘭は
それほどの快感を得ながらも、逝くことが出来なかった。
「あぁぁ~逝くぅ、逝くぅ、あぁ~いやぁ~逝かせてぇ、逝かせてぇ~」
「逝きたいでしょう、早く逝きたいでしょう、蘭。さぁもういいでしょう?
アナタはがんばったわ、だから言いなさい。ずっとココにいると……」
「いやぁ、帰りたい。あたしは帰る! あぁ、あぁぁ~逝くぅ~」
「逝かせないわよ、蘭。アナタがココにいると言うまで……。いつまでもいつまでも、このまま焦らし続けるわよ」
「帰る、あたしは、あたしは帰るの!」
「そうはいかないわよ。ほらっ、ほらほらっ、もう我慢できないでしょう?」
「あっ、あっ、あぁぁ~、いやぁ~。いっ逝くぅ~逝くぅ~」
「ほらほら、言いなさい。もう帰らない、ココにいると言うのよ」
「いやよ! いやいや! あたしはみんなの所に帰る!」
「蘭、ココでいつまでもあたしと暮らしましょう。何も心配することはないのよ。毎日こうして暮らせるのよ」
「あたしを、あたしを元の世界に帰して! イングリット!」

Comments 2

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2008/08/02 (Sat) 23:32 | EDIT | REPLY |   
蛍月  
◎さん、おはようございます

星の数ほどあるサイトの中からこうして巡り会えたコト。
チョット運命的なものも感じてしまいますね。

これからも◎さんの、そして皆様の期待を裏切らない小説を
書いてきたいと思います。

末永く付き合ってやって下さい。

2008/08/03 (Sun) 07:10 | EDIT | REPLY |   

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土