死神イングリット
彼女が蘭から離れベッドの脇に立つと、ベッドの回りに5人のあの女達が立っていた。
女達は蘭を取り囲むようにその体に手を伸ばしていった。
まずはナマコが蘭の蜜壺にモゾモゾと潜り込んでいった。ブツブツとしたイボの感覚が、蜜壺の肉壁を抉るように蠢いている。
「いっぱい蜜を吸わせて大きくしてあげてねぇ、腕のように太くなるまで」
するとイソギンチャクの触手が肉豆の皮を剥き上げた。そして敏感な紅い豆を触手の先端でジワジワと責め立てていく。
「どう? 舌よりイイんじゃない? ほぉ~らっ、小刻みにカリカリしてあげる……あらあら、ココがプックリとしてきたわよぉ~」
鞭を持って少し離れたところに立っていた女が、その距離を測るように歩み寄ると、紅い蛇の鞭が蘭の腹や胸を鋭く打ち抜いた。その痛みは極上の快感へと昇華していく。
「ほらっ、相変わらず叩き甲斐があるわねぇアナタは。ほらっ、乳首よ。今度は反対側。ほらっ、ほらっ」
蜘蛛の蝋燭が蘭の体中に垂らされ、無数の紅い花を咲かせ続けている。
「熱い? いいのよぉ、もっともっと悶えて。そう、その顔が好きなの」
最後にヒルがアナルに吸い付いた。無限とも言える液体を蘭の直腸に送り込み始めた。
「今日もタップリと苦しめてあげましょうねっ。このお薬でお腹をいっぱいにして……またアノ苦しみに耐えるのよ」
そしてあの電流のようなものを流す女の声が聞こえた。
「さぁ、仕上げはあたしよ。アナタが受けている全ての責めに電流を流してあげる」
「いやぁ~やめてっ、だめっ、だめっ、お願いやめてぇ」
「そぉ~らっ、タップリ味わいなさい」
その途端、蜜壺のナマコがピリピリと電気を発し、肉豆を嬲る触手からはチリチリとした微弱な電流が流れ、えもいわれぬ快感を生み出している。
鞭からは強い電流が、蘭の体に当たる瞬間に流れるようになった。
蝋燭からは電気を帯びた熱蝋がポタリポタリと全身に降り注ぎ、アナルのヒルは、吐き出す液体に電気が流れ、電気浣腸とも思える責めを続けていた。
全ての責めに電流を流しながら、彼女は蘭に顔を近づけた。
「ふふふっ、あたしはキスをしてあげる」
彼女は苦しそうに快感に喘ぐ蘭の口を塞いだ。
舌を差し込むと蘭の口の中を蹂躙しながら舌を執拗に絡めた。そしてその舌から電流を流した。
「んっ、んん~……んん~、んん~」
首を振って逃れようとする蘭の頭を両手で押さえ付け、彼女はキスを続けた。
舌の先から指先まで、全身を包む快感と苦痛に電流が加わり、女たちの責めは決して焦らず、むしろゆっくりと余裕を持って蘭を喘がせ、じっくりといたぶり続けていった。
そして腰が大きく仰け反り蘭は限界を超えた。いや、越えたの思ったその時、
砂時計の砂が全て流れ落ちた。
「森山欄、時間よ。隣の部屋で休みなさい」
イングリットの声がどこからともなく聞こえた。
女たちが消え、一時の静寂が蘭を包んだ。
(あと、あと一部屋。次はいったいどんな……)