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あなたの燃える手で

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死神イングリット

11
2人の女は欲望の儘に蘭を弄んでいた。
そんな蘭をイングリットは微笑みを浮かべて見ている。
「お・ね・が・い・逝か……せて……」
しかしイングリットは、漆黒の瞳で蘭を見つめたまま何も言わない。
(あと、あと数分で終わる。そうすれば……)
その時、蘭の体の中心から一際強い快感が広がった。全てを飲み込むような快感の津波は蘭の全身に及ぼうとしていた……しかし。

砂時計の砂が全て流れ落ちた。

「森山欄、時間です。隣の部屋で休みなさい」
前回と同じように、全てが夢から覚めたように消え去ってしまった。
ただ蘭の濡れた蜜壺が、それまでの時間を物語っていた。

「森山蘭。時間です、起きなさい」
蘭のベッドの脇にイングリットが立っていた。
そして24時間前のように、隣の部屋へ連れて行かれた。
昨日と同じ部屋とばかり思っていた蘭は、その部屋をみて驚いた。同じドアから入ったはずなのにその部屋はまったくの別室だった。それは床も壁もそして天井も、城壁のような大きな石で囲まれている石の部屋だった。3メートル程の高さの天井近くに人の頭ほどの鉄格子が嵌った窓があった。
蘭はその部屋の中央に連れて行かれた。するとそこには天井から太い1本の鎖が垂れており、その鎖の先には二つの鉄の手枷が付いている。イングリットはその手枷に蘭の両手を繋いだ。その鎖は天井の滑車を通り、床にあるリールのような巻き取り機に繫がっている。
(これじゃまるで、中世の拷問部屋だわ……)
「森山蘭。プレイを始めます」
イングリットが大きな金色の砂の入った砂時計をひっくり返した。
すると部屋の隅にいたらしい女が1人、蘭に近付いてきた。
彼女は白い肌に黒い皮のビスチェを着ていた。金色の強くカールした髪は後で一つに結ばれ、その髪は肩の下でやや広がり彼女の動きに合わせ弾んでいる。
ビスチェから伸びた綺麗な白い腕。スラリとした艶めかし脚。そして彫りの深い顔に浮かんだ人なつっこそうな微笑み。
しかしその印象とは裏腹に、彼女の手には1本の長く赤い鞭が握られている。彼女は滑車の所に歩くと、リールの取っ手を握り鎖を巻き取り始めた。
ガチャガチャという音と共に鎖が巻き取られ、蘭の両腕が上がり始めた。やがて体が引き上げられ、蘭はつま先立ちになった。
その位置で彼女はリールをロックすると、人なつっこい笑顔を浮かべ蘭に近付いてきた。
「どう? 目は覚めたかしら?」
血のように赤い鞭を左手でしごきながら、可愛い声で彼女が言った。
彼女が微笑みながら鞭を持った右手を振ると、赤い閃光と共に空を切り裂く音が響き、2メートル程先の床で ”ビシッ” と破裂音がした。その音が石の部屋に重く反響する。
「今度はあたしがお相手するわ。よろしくね」

彼女の右手から伸びた赤い鞭が、冷たい石の上で蛇のようにのたくっていた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土