死神イングリット
3
「まったくどうなってるのよ」
蘭は携帯を探した。しかし携帯はおろか財布も何もない。
「あれ、何で? どうしたんだろう。イングリット! イングリット!」
しかし返事はなく、2つのドアも開かなかった。蘭は急激な眠気に襲われ、ベッドに横になるといつしか眠りに付いた。
「森山蘭。時間です、起きなさい」
イングリットの声に蘭は目を覚ました。
「えっ? なにっ? もう24時間経ったの? そんなに寝るはず……」
蘭が上半身をベッドから起こすと、いつの間にか全裸になっていた。
「いやぁ、どうして裸なの?」
イングリットは、左手に金色の砂の入った大きな砂時計を持っている。彼女は右手を伸ばすと蘭の右手を掴み、ベッドから引き起こした。氷のように冷たくその力は機械のようだった。彼女はそのまま蘭を入ってきたときと反対側のドアに引っ張っていき、隣の部屋へ強引に連れ込んだ。
その部屋はとても暗くベッドしかない。そして目が慣れるにつれ、闇の中に全裸の女が1人立っているのが浮かび上がった。身長は165センチの蘭よりも頭一つ高く、ショートヘアーでモデルのような体型をしている。
「森山蘭。プレイを始めます」
イングリットが手に持っていた砂時計をひっくり返した。すると人形のようだった女は目を輝かせながら、蘭に近付き抱きつこうと両手を伸ばした。
「いやぁ、やめてぇ」
蘭は彼女の両手を掴み抵抗した。細身に似合わずその力はイングリットのように強く、やはり氷のように冷たい手だった。蘭はジリジリとベッドまで押され、そのまま仰向けにベッドに押し倒された。
彼女は蘭の腰に馬乗りになると、蘭に掴まれていた両腕をふりほどいた。
「やめてぇ! いやぁ!」
蘭は彼女の体を拳で叩いた。しかし彼女はまるで神経がないかのように無反応だった。暴れる蘭を見下ろし、彼女の薄い唇がわずかに微笑んだ。
「いやぁ! いやよっ! イングリット助けてぇ!」
「私の名前を呼んだらクリア出来ません。いいのですか? クリア出来なければこの部屋が永遠に繰り返されます。最初の1回目は見逃してあげます」
そう言うと、イングリットの姿は闇の中に溶け込んでいった。
イングリットに言われ、蘭は昨日聞いたルールを思い出した。
「そんなこと言ったって、どうにかしてよっ!」
その時、彼女が両手首を掴み、蘭の頭の上でベッドに押さえ付けた。
「あぁっ、いやぁ、やめてっ! 離してぇ!」
「ゆっくり犯してあげるわ。1日掛けて……何度も何度もね」
両手首を掴み頭の上で押さえ付けたまま、彼女の薄い唇が蘭の唇に近付いてきた。そこから異様に長い真っ赤な舌が伸び、蘭の頬を舐め上げた。
「助けてぇ! 何とかしてぇ!」
「私は何もしない。ただ見ているだけ。全ての選択肢はアナタにあります」
蘭の脳に直接、イングリットの声が響いていた。
「まったくどうなってるのよ」
蘭は携帯を探した。しかし携帯はおろか財布も何もない。
「あれ、何で? どうしたんだろう。イングリット! イングリット!」
しかし返事はなく、2つのドアも開かなかった。蘭は急激な眠気に襲われ、ベッドに横になるといつしか眠りに付いた。
「森山蘭。時間です、起きなさい」
イングリットの声に蘭は目を覚ました。
「えっ? なにっ? もう24時間経ったの? そんなに寝るはず……」
蘭が上半身をベッドから起こすと、いつの間にか全裸になっていた。
「いやぁ、どうして裸なの?」
イングリットは、左手に金色の砂の入った大きな砂時計を持っている。彼女は右手を伸ばすと蘭の右手を掴み、ベッドから引き起こした。氷のように冷たくその力は機械のようだった。彼女はそのまま蘭を入ってきたときと反対側のドアに引っ張っていき、隣の部屋へ強引に連れ込んだ。
その部屋はとても暗くベッドしかない。そして目が慣れるにつれ、闇の中に全裸の女が1人立っているのが浮かび上がった。身長は165センチの蘭よりも頭一つ高く、ショートヘアーでモデルのような体型をしている。
「森山蘭。プレイを始めます」
イングリットが手に持っていた砂時計をひっくり返した。すると人形のようだった女は目を輝かせながら、蘭に近付き抱きつこうと両手を伸ばした。
「いやぁ、やめてぇ」
蘭は彼女の両手を掴み抵抗した。細身に似合わずその力はイングリットのように強く、やはり氷のように冷たい手だった。蘭はジリジリとベッドまで押され、そのまま仰向けにベッドに押し倒された。
彼女は蘭の腰に馬乗りになると、蘭に掴まれていた両腕をふりほどいた。
「やめてぇ! いやぁ!」
蘭は彼女の体を拳で叩いた。しかし彼女はまるで神経がないかのように無反応だった。暴れる蘭を見下ろし、彼女の薄い唇がわずかに微笑んだ。
「いやぁ! いやよっ! イングリット助けてぇ!」
「私の名前を呼んだらクリア出来ません。いいのですか? クリア出来なければこの部屋が永遠に繰り返されます。最初の1回目は見逃してあげます」
そう言うと、イングリットの姿は闇の中に溶け込んでいった。
イングリットに言われ、蘭は昨日聞いたルールを思い出した。
「そんなこと言ったって、どうにかしてよっ!」
その時、彼女が両手首を掴み、蘭の頭の上でベッドに押さえ付けた。
「あぁっ、いやぁ、やめてっ! 離してぇ!」
「ゆっくり犯してあげるわ。1日掛けて……何度も何度もね」
両手首を掴み頭の上で押さえ付けたまま、彼女の薄い唇が蘭の唇に近付いてきた。そこから異様に長い真っ赤な舌が伸び、蘭の頬を舐め上げた。
「助けてぇ! 何とかしてぇ!」
「私は何もしない。ただ見ているだけ。全ての選択肢はアナタにあります」
蘭の脳に直接、イングリットの声が響いていた。