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あなたの燃える手で

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死神イングリット


イングリットは、立ち止まった部屋の前でゆっくりと言った。
「えっ? 部屋って……?」
彼女は厚い木のドアを開けると、無言で先に入った。
「お入りなさい」
蘭が部屋に入ると音もなく扉が閉まった。
そこは10畳程の広さの部屋だった。レンガ色のカーペットに白い壁。窓にはモスグリーンのカーテン。隅にはダブルベッド、中央には艶のある骨董品のような机、その上には大きく口を開け、とぐろを巻いた黒い蛇の置物が置かれている。そして入ってきたドアの反対側には、もう一つの同じドアがあった。
蘭は窓に歩み寄るとカーテンを開けた。そこには広大な湖が広がっていた。
「えっ? どういうこと? ココは何処?」
蘭はイングリットを振り返ると、大きな声で聞いた。
「ねぇ、イングリットさん。一体どうなっているの?」
「ルールを説明します」
「ルール? ルールって……?」
「アナタにとってとても大切なルール」
「だから何のルールなのよ」
「それでは説明します。あなたは七つの部屋を通らなくてはなりません」
「七つの部屋?」
「あなたはそれらの部屋で様々の責めを受けます」
「責め……? 何を言ってるの?」
イングリットは蘭の質問には答えず、一方的にルールの説明を始めた。それを要約すると次のようなものだった。

・部屋では24時間の責めと24時間の休息が交互に与えられる。
・1度部屋に入れば、前の部屋には戻ることは出来ない。
・次の部屋の責めを知ることは出来ない。
・プレイが始まれば24時間続く。如何なる場合も途中で止めることはない。
・24時間経過した時点でクリアとし、如何なる場合もプレイは中止される。
・クリアした部屋の責めは次の部屋でも使える。つまり部屋をクリアする度に 
 苦痛は加算され、その際責め手も加わる。(3つ目の部屋では3人になる)
・7つの部屋をクリア出来れば、自分の時間に帰ることが出来る。

蘭はベッドに腰掛けたまま、暫く訳が分からず放心状態だった。
「クリア出来ればって? 出来ない時ってどういう時? 如何なる場合も途中で止めることはないんでしょ?」
「私の名前を言えばプレイは止まる。ただし、その場合はその部屋がもう1度繰り返されます。クリア出来るまで永遠に……」
「七つの部屋と七つのルールか。バカバカしぃ。イングリットさん、アナタはその間何をしているの?」
「私は何もしない。ただ見ているだけ。全ての選択肢はアナタにあります。プレイは24時間後に始まります」
それだけ言うとイングリットは部屋を出て行った。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土