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あなたの燃える手で

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ブルーチョコレート

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「あたし? あたしはもう食べたから……」
「珍しいじゃん。レナが食べないなんて。人の分まで食べちゃう子がさぁ」

「そ、そんなことないよ」
「ホント 無理しないで食べなよ。ホントは食べたいんでしょう?」
「えっ? 別にそんなことぉ……」
「一緒に食べよっ、ねっ、レナ」

そこまで言われたらしょうがない。レナを見てると、1個だけなら大丈夫そ
うだし、まっ、いっか……
あたしはレナと一緒にチョコを口に入れた。
その瞬間、ただ甘いだけのチョコとは違う、なんていうか甘さの中にスパイ
シーな感じがした。きっとこれが媚薬成分……、なのかな?
あたしは口の中でトロけたそれを、ゴクリと飲み込んだ。
「うふっ、美味しいねぇ~、これ。ねっ、花梨……」
すると花梨は掌に乗ったままの青いチョコをあたしに見せた。
「あれ? 食べないの?」
「うん。実はぁ~、朝のも食べてないの。ほらっ……」
花梨はポケットから出した、もう一つのチョコを掌に並べて置いた。
「えっ? なんで、なんで食べなかったの?」
「だってぇ、なんか怪しいんだもん」
「べ、別に……、そんなことないよ」
「ホントぉ~? なんかあるでしょう、絶対ぃ~。ねぇ、レナぁ~」

その時だった、あたしなんかドキドキしてきて……。
なんにもしてないのに血行が良くなってきて、なんかもう顔が火照ってるの
が自分でもわかる。そしてそのドキドキを追いかけるように、ムラムラが湧
き上がってきた。
これだ、これがブルーチョコレートの効能なんだ。
こんなに早く効くのか、食べてまだ数分しかたっていないのに……。
そして最悪なことに、そんなあたしを見て、花梨は全てを悟ってしまったよ
うだった。

「成ぁ~る程、そういうことね……。要するにこのチョコレート、なにか入
ってるわけだ。多分エッチなやつが……」
「そ、それはぁ~」
「それをあたしに食べさせて……。どうするつもりだったのぉ? ナニする
つもりだったのぉ? ねぇ、レナぁ?」
「どうするって、そんなっ、あたしは……」
「ねぇレナぁ。一つ教えておいてあげる。あたしはレナなこと大好きだよ。
これは友達としても、そして恋愛対象として、女のあなたが好き」
「えっ?」
「これはホント。嘘じゃない。だから花梨とは、キス以上のこともできる」

するとレナがあたしに歩み寄って、顔を近づけてきた。
「花梨……」
花梨の髪があたしの顔に降り掛かる。そんな髪を後ろに撫で付け、花梨の唇
があたしに重なった。

それは柔らかくて温かくて、なにより心が繋がった気がした。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土