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あなたの燃える手で

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小料理屋の二階

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「それじゃ二階へ行きましょう。このあいだの部屋よ」
二階の部屋に入ったあたしの目に、数本の縄とオモチャが飛び込んできた。

「女将さん、これ……」
「久留美ちゃんがいつ来てもいいように、ちゃんと用意しておいたの」
「そうなんですね……」
あたしこれから縛られるんだ。そう思ったら、なんだか緊張してきた。
だって縛られたことなんてないし……。怖さ半分、楽しみ半分って感じだけ
ど、でもちょっと怖さの方が……。
「どうしたの? 久留美ちゃん。緊張してきた?」
「えっ、えぇ、だって……」
「そうね、誰でも最初はそうよ」
「そうですよね」
あたしはちょっと胸を撫で下ろした。
「もちろん。こんな可愛い子を獲って食おうなんて……、ねぇ~」
女将さんはそう言うと、あたしに服を脱ぐように言った。
あたしは女将さんの前で全裸になることに、驚くほど抵抗がなくなってい
た。いやそれどころか、まだ2回目だというのに、前を隠すこともしなくな
っていた。
「いい子ね…それじゃ縛ってあげる。そこに寝て」

あたしは取り敢えずっといった感じで、敷いてある布団に仰向けになった。
すると女将さんはマジックのように布団の下から縄を一本引き出し、それで
あたしの右手首を縛ると、左手も同じように縛り付けた。どうやら一本の縄
が布団の下を通り、左右に出ていたようだ。
あたしの両手は、ギチギチに縛られたわけではない。多少の自由はある。で
も何かができるほど自由ではない。でもその自由度に優しさを感じ、心にわ
ずかばかりの余裕が生まれた。

「あぁ、なんかドキドキします」
「大丈夫。あたしはSMの女王様じゃないから」
「じゃ、どんな感じなんですか?」
女将さんがあたしの右足を膝から折り曲げ、脛と太ももに縄を巻きつけた。
「あぁん」
「こっちもよ……」
左足も同じように縄が巻かれた。
「あたしは女王様じゃないけど、ねちっこく責めるのは好よ。体力を温存さ
せて長時間責めるの」
「えっ、それはそれで残酷な感じが……?」
「そうよぉ。こうやって自由を奪って、相手の弱いところをジワジワと責め
るのよ。ずぅ~と、ヒーヒー言っても、泣いても赦してあげないの」
「って言うことは……」
「久留美ちゃんも今からそうされちゃうって、こと」
「やっぱり……」
「いいじゃない。気持ちよくしてあげるから……」
「そうですよね、女王様とは違いますもんね」
もう完全に自由のないあたしは、今更のように確認した。
「そうね、女王様が熟女になってベテランになった。それがあたしよ……」

耳を疑うようなその言葉に、あたしは言葉がなかった。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土