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あなたの燃える手で

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小料理屋の二階

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「ひぃぃ~、逝く逝くっ、逝くっ、逝くっ、もう逝くっ、逝かせてぇぇ~」
その搾り出すような声は、まさに久留美の断末魔の声だった。

「まぁ、そんなこの世の終わりみたいな声出してぇ」
「だって、あぁ逝くっ、逝く逝くっ、あぁもう逝かせてっ、逝かせてぇ」
「んん? まだよぉ~。もっとトロトロに煮込むの。弱火でじっくりと」
「もういいから、いいから逝かせて。ねっ、女将さん……」
「うっふふふっ。弱火をちょっと中火にすると、ほらっ、ほぉ~ら」
「ひぃぃ~、だめっ、逝くっ、逝く逝くっ、逝く逝く逝くぅぅ~」
「ねぇ、吹きこぼれちゃうでしょう?」
「あぁぁ~、逝けるとおもったのにぃ~」
「小料理屋は火加減がうまいの。吹きこぼすようなヘマはしないのよ」
「そんなっ……、そんなこと言わないで逝かせて……」
「だめよぉ~。煮込めば煮込むほど、あたしと言う味が染みて美味しくなる
んだから」
「女将さんの、味……?」

あたしがそう聞いた時、女将さんの指がピタリと止まり、あたしの体に平穏
な時間が戻り始めた。
「そう、あたしの味はね、何度も味わいたくなる快楽の味なの。あたし無し
じゃ味わえないけどね……。うっふふふっ」
「えっ、だって一人で……」
「だめねっ。自分でしたんじゃ我慢できないで逝っちゃうでしょう?」
「う、うん……」
「でもあたしとなら行ける。その先の世界に……」
「その先の……、世界……?」
「我慢の先、限界の先。強制的に焦らされる、逝くに逝けない世界へ」
「それって、どんな……」
「逝きそうな快感がずっと続くの。でも逝けないから辛い。凄く辛いの。あ
る意味地獄、快感地獄ね」
「快感、地獄……」
「どう? 久留美ちゃん。味わってみたいでしょう。Mなあなたなら味わっ
てみたいはずよ」
「う、うん、なんとなく……」
「うっふふっ。正直ね……。それじゃ今度ね、今日はこれくらいで逝かせて
あげる」
「う、うん……」
すると女将さんの指が再び動き始めた。
「あぁぁ~、そこ、そこだよ女将さん」
「わかってるわよぉ~。ほらっ、ほぉ~ら気持ちいいでしょう」
「うん、うん、あぁぁ~いいっ、逝っちゃうっ、逝っちゃうよぉ~」
女将さんは簡単にあたしを快感の極みへと連れて行ってしまった。
「さっきはちょっとだけ焦らしたけど、今は逝かせてあげる。ほぉ~らっ」
「あぁぁっ、あぁぁ~ん、あぁっ、あぁっ、あぁっ、逝くぅぅ~」
「いいわよ、逝ってごらん、逝ってごらん久留美ちゃん」
「あぁぁ~ん、逝くっ、逝く逝くっ、逝く逝くっ、逝っくぅぅ~ひぃぃ~」
ビクビクと痙攣する体を自分でもどうすることもできず、あたしはただただ
快感を貪っていた。

胡桃と女将は、互いに次回の逢瀬を楽しみにしていた。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土