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あなたの燃える手で

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小料理屋の二階

12 
「Mの人はね、そんなことされてみたいって思うの。誰にも言えないけど、
心の奥底ではそんな願望を持ち続けてるのよ」
「でもあたしは……」

「ううん、久留美ちゃんもそう。あたしにはわかるわ」
「あたし、が……?」
「そうよ。ねぇ、ちょっと試してみない? 軽く縛って。そうしたらもっと
リアルにわかるんじゃない?」
「えっ……? 縛るって、縄かなにかで? でも縄なんて……」
「あるのよ、それが……」
女将さんは布団から抜け出ると押し入れへと歩き、そこから赤い縄を数本取
り出した。
「ほらねっ」
そう言って振り向くと、ニッコリ笑って見せた。
「どうする? 縛られてみる?」
「でもそんないきなり……」
「確かにそうね。あたしもね、自分のしたいことだけ押し付けるつもりはな
いのよ。でも久留美ちゃんが興味があるなら……」
「今日は……、いいです」
「あらっ、そう。残念ね……」

今日はってなんだろう、今日はって……。今日は遠慮するけど、次回縛って
くださいって言ってるようではないか。
女将さんは出しかけた赤い縄を押し入れに戻すと、あたしのところへと戻っ
てきた。
「それじゃ久留美ちゃん。縛らない代わりに、うつ伏せになって」
「うつ伏せ? は、はい……」
あたしは羽布団の中でグルリと反転するとうつ伏せになった。すると女将さ
んはその場にしゃがみ、片手で羽布団を二つ折りにして布団の横に置いた。
そして後ろからあたしに覆い被さってきたのだ。
「あぁん、女将さん」
「うっふふっ、ほらっ、後ろからこうやって乗られたら動けないわね」
女将さんはあたしを潰すように、背中全体にズッシリと体重を掛けてきた。
確かに、動けないけど……、そっか、それって……。
「どぅぉ? 縛られてるみたいになにもできないでしょう。うっふふっ」
「そして更にこうよ……」
女将さんがあたしの両手首を掴んだ。これであたしは、女将さんが言うよう
に、縛られてるみたいになにもできなくなった。
「でも、女将さんもあたしに触れないんじゃ……」
「舌があるでしょう、熟女の舌が……」
「えっ、舌……」
「そうよ。この舌で久留美ちゃんの背中、全部舐めてあげる」
「えっ、えっ、ちょっ、ちょっと待って……」
「だぁ~めっ。もう久留美ちゃんに自由はないの。あたしのするがまま、さ
れるがままなの」
「いやっ、いやぁ」
「いやぁって言ってもこの状態じゃ、どうしようもないわねぇ~」
そしてあたしは右肩に、柔らかく湿った温かみを感じた。
「あぁぁ~ん、女将さぁ~ん」
「ゆっくり舐めてあげる。ゾクゾクして堪らないわよぉ~」

そんな言葉を、女将さんはあたしの耳元で囁いた。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土