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あなたの燃える手で

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春を画く


先生の指先が、あたしを絶頂へ絶頂へと追い込んでいきます。
その責めに、堪らず "逝くっ" と思ったその瞬間。あたしの絶頂は蜃気楼の
ように消えたのです。まるで嵐の海が一瞬で凪いでしまったかのように……

「えっ……? いやっ、なに?」
「どうしたんだい。あんなに感じてたのに。いいのかい? 逝かなくても」
「そっ、そんな。逝きたい、逝きたいです。でも、でも……」
「逝くと思ったら逝けなかった……。だろう?」
「は、はい……」
「ひっひひひっ。まぁ、そりゃそうさ。だってそうしたんだから……」
「えっ? そうした……?」
「そうだよ。お前が逝かないように、逝くギリギリを見切ってお前のエクス
タシーを奪ったんだよ。まぁ、速い話が "焦らし" ってヤツさ」
「……」
「逝けないほど辛いコトはないからねぇ。あたしも女だからよく分かるよ」
「そんなっ、だったら……」
「だからだよ。だから焦らすんだ。切ない顔、切ない声。そしてお前の心と
体が震え出す。逝きたい逝きたいって、絶頂を欲しがるのさ。喉から手が出
るほどねぇ……。ひっひひひっ。さぁ、もう一度だ……」
「いやっ、そんなのいやっ……」
「吊られた状態じゃ、どうしようもないねぇ。なにを言っても無駄。なにも
できない儘、あたしにされるが儘だ。さぁ~、じっくりとねぶり回してやろ
うねぇ。何度も何度も、何十回も……。ひっひひひっ」
「いやっ、いやですぅ。先生ぇ」
すると先生は腰の天狗の面を外し、右手に持ち直したのです。

先生は右手持った面で、出し入れを始めました。
「腰の抜き差しもイイけどね、ギリギリを見切るにはやっぱり手さ。指先ま
で神経を通わせて、お前の絶頂を見切るんだよ。しっかりとねぇ」
すると突然、あたしの中で天狗の面が "グルっ" と回転しました。それは先
生がドアノブを回すように、面を回したからです。
鼻のイボが粘膜に沿って輪を描き、面は右に左に微妙に前後の位置も変えな
がら、あたしの中で回り続けるのです。
そんな中で、数個あるイボの中のどれかが、奥のスポットを擦ったのです。
「ひぃっ、ああぁん……」
その声は一際大きいのものでした。元々感覚を研ぎ澄ますように責めていた
先生が、その反応を見逃すハズがありませんでした。
「おやっ、イイ反応だったねぇ。ココかい? それともコッチかい?」
先生は今反応のあった場所を特定しようと、慎重に面を動かします。
その場所はどんどん絞られていきます。なにしろ体が反応するのですから、
反応しない場所は除外していけばいいワケです。
そして程なく、あたしのスポットは特定されてしまいました。
更に先生はそれまでの手探りで、やや斜め上にあたしが反応することが分か
っているようでした。

「ココだねぇ、この深さこの角度でこうするとぉ? ほぉ~らっ」
それが、それこそが、イボがあたしの快感スポットへ食い込む絶妙な角度な
のです。イボはソコへ食い込んだ儘、あたしをジワジワと責め立てます。
「あぁ~、いやぁぁ~、だめっ、あぁぁイイぃぃ~。あぁぁ~あぁぁ~」
「んん~、イイ声だぁ。イボのどれかがソコに当たってるんだろう?」
「は、はい。そうです。あぁぁ~だめっ、当たってる、当たってますぅ~」
「そうかい、それじゃもっとグリグリしてあげるよ。ほらっ、ほぉ~らっ」
「ひぃぃ~、逝くっ、逝く逝く逝くっ、あぁ逝くっ、逝っちゃうぅぅ~」

あたしはあっという間に、絶頂間近になってしまったのでした。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土