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あなたの燃える手で

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貴婦人とメイド


            貴婦人メイド

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都内のある小高い丘に、石造りの重厚な洋館が建っている。
2000坪を誇るその敷地には大きな木々が生い茂り、その館はさながら森の中の美術館を思わせた。そのため外から容易にその館を窺い知ることは出来なかった。そう、その中で何が行われようとも・・・。

梅雨明けの青空に、蝉達の声が吸い込まれてゆく。
この館でメイドとして暮らしているマリア。彼女が主人からあてがわれたのはこの8畳の部屋だった。白い壁にレンガ色のカーペット。シングルベッドに小降りの机、その上には白いノートPCが置かれ、部屋の隅には全身が映る鏡があった。窓は出窓になっており、そこに置かれた小さなステレオから優しくメロディーが流れた。モーツァルトの弦楽四重奏曲第17番「狩り」だ。マリアは毎朝6時にこの曲で目を覚ましていた。カーテンの隙間からは気の早い朝日が入り込んでいる。
マリアはベッドから上半身を起こすと、滑り降りるようにベッドから立ち上がった。皺になった薄いピンクのネグリジェが、寝汗をかいたマリアの体に張り付く。カーテンを開いて庭を見下ろすと、屋根よりも高い木々の緑が目に飛び込み、部屋が木漏れ日で満たされた。
13インチの白いノートPCを立ち上げると、画面の下に並んだカレンダーのアイコンをクリックして、いつものように主人の今日の予定を確認する。そこには、『19:00・ホテルで会食、帰宅未明』となっていた。
「帰宅は、ミ・メ・イ・か。夕食も、イ・ラ・ナ・イ? うふっ」
マリアはそれを確認すると、部屋を出て1階のバスルームに向かった。

毎朝、主人のためにバスタブにお湯をためるのがマリアの日課の一つだった。自分はいつもシャワーを浴びるだけで済ませている。
バスルームの前でネグリジェを脱ぐとバスルームの扉を開けた。
ここはマリアの一番のお気に入りの場所だった。ジャグジー付きの大きなバスタブ。ダブルベッドが楽に入る程の洗い場。その全てがごく薄いライトグリーンで統一されていた。
マリアはシャワーの温度を43度に設定すると強めの水流を出した。
身長158センチのマリアの首筋で水流が弾ける。熱い水流は25歳の張りのある豊満な胸を滑り、桜色の乳首から滴った。又ある水流は腰のくびれをなぞり、淡い茂みをかすめ形のいい脚を滑り落ちていった。床から湯気が広がり、みるみるバスルームは白い湯気に包まれた。
マリアがボディーシャンプーを手にしたとき、扉が開き立ち込める湯気の中に人影が現れた。その人物こそこの館の主人、氷見川麗子だった。
「おはよう。マリア」

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土