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あなたの燃える手で

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ミセスNに伝言

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菜月は保険の外交員をしている。
そんな彼女が、仕事中にコンビニなどに立ち寄るコトは珍しくない。しかし
今日はコンビニではなく、昔ながらのスーパーマーケットだった。
買い物を済ませレジに並ぶと、そこにいたのは奈々だった。
突然の再開に、二人は驚きを隠せなかった。

「奈々さん……、ここで?」
「はい、夕方まではこうやってレジやってます」
「そうなんだぁ、あたしも仕事中なんだけどね」
「仕事?」
「うん、保険の外交員をしているの」
「へぇ~、凄ぉ~い」
まだ話し足りないが、菜月の買い物は少ない。彼女はレジを済ますと一旦ソ
コを抜けた。そして名刺に自分の連絡先を書くと、奈々の手の空いたタイミ
ングを見計らい、それを手渡した。
「ねぇ、コレ。連絡頂戴。どっか行こ」
「どっか……?」
「二人きりで楽しめるトコ」
「えぇ……、是非」
それだけ答えると、奈々は次の客の対応に追われた。

それから程なく奈々から連絡が来た。二人は休みを合わせ、電車で数駅行っ
た『夢の森駅』の、アマデウスというカフェで待ち合わせをした。

「あたしこの駅始めて降りました」
「そうなんだ、あたしは仕事でちょくちょく来るけどね」
「ココ、いいですね、駅から近いし」
「そうでしょう。それにね、あのバイトの子。響子ちゃんていうらしいんだ
けど、脚が綺麗だと思わない」
「えぇ? あぁ確かに。だから、ココ?」
「そうなの。綺麗というか、美味しそうでしょう」
「えぇ、ホントに……」
二人がほくそ笑んでいると、当の響子が二人の元にアイスコーヒーを持って
きた。
「はぁ~い、アイスコーヒー二つと、チーズケーキでぇす」
「ありがとう」
「ごゆっくり……」
それだけ言うと彼女は厨房へと消えていった。
短いスカートから覗くスラリとした脚。眩しく白い太腿の裏。そんな後ろ姿
を、二人は黙って見送っていた。
「もう、奈々さんったら、ナニいつまでも見てるのよぉ」
「そんなっ、あたし……。それに、奈々でいいですよ」
「そう? それじゃあたしも菜月で」
「いえっ、菜月さんの方が呼びやすいです」
「そう? それじゃまかせるけど。ねぇ、それはそうと……、行く?」
「えっ、あぁ、はい。あたしはそのつもりで」
「ホント? 嬉しい。あたしもそのつもりよ」
「よかった。ねぇ、奈々。あなた、ネコちゃんでしょう?」
「はい」
「それも責められ好きの、ドMのネコちゃんよね」
「そうですね。ドMのMネコです……」 
「あたしはタチ、ドSのSタチよ」
「そうだと思いました。一目見た時から。だからあの日、『蒼い蟷螂』でお
会いしてからずっと気になっていました。
「あらっ、あたしもよ」
「実はね、今日はいろいろ道具を持ってきたの。使ってもいいかしら」
「もちろんです。それがあたしの望みです」
菜月は妖艶に、奈々は儚げに微笑みあった。

アマデウスを出た時、真夏の太陽が真上から二人を照りつけた。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土