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あなたの燃える手で

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マリアのお留守番

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ママと響子との夜は、それからも数回あった。
ママに可愛がってもらう時は、いつもマリアが一方的に責められた。
そしていよいよ、麗子がパリから帰って来る日がやって来た。

「お帰りなさいませぇ~、麗子様ぁ」
「ただいま、マリア。お留守番ご苦労様……。寂しくなかった?」
「麗子様に会えないのは寂しかったですけど、アマデウスに行けば響子や
ママさんもいますし、結構あっという間の一ヶ月でした」
「そう、良かったわ。それで……、二人には可愛がってもらったの?」
「 "可愛がられる" という言葉に、マリアは思わず俯いた」
「はい……」
「やっぱり。でもいいわ。ソレはあたしがお願いしたことでもあるから」
「えっ……? 麗子様が……」
「そうよ。マリアが寂しくないように、いっぱい可愛がってあげてって、
お願いしておいたの。まぁ、良子にしてみれば、渡りに船だったでしょう
けどね」

そしてクリスマスイブ。
麗子の屋敷で、毎年恒例の四人のクリスマスパーティーが始まった。もち
ろんママと響子も招待されている。
白いクロスの敷かれたテーブルには四つの皿が並べられ、その脇にはナイ
フ、フォーク、シャンパングラスが置かれている。山と盛られたサラダ、
固まりのローストビーフ。それらを優しく照らす燭台の蝋燭と、部屋の隅
に置かれた背丈ほどもある、クリスマスツリーがムードを高めている。
「で、どうなのパリのお店は……」
「おかげさまで……、どうにか軌道に乗ったわ」
「そうなんだ、それじゃ全てうまくいったんですね」
「まぁそういうコトね。マリア、あなたもこっちに来て座りなさい」
「はぁ~い。今いきまぁ~す」
マリアがチキンを盛った皿を両手に持ちながらやって来た。それをテーブ
ルの中央、ローストビーフの隣に置くと、麗子の隣に座った。

麗子がシャンパンの栓を抜き、みんなのグラスを満していく。金色のシャ
ンパンは、四つのグラスの中で無数の泡を踊らせている。
「それじゃ、乾杯しましょう」
「はぁ~い」
みんながグラスを掲げると、声を合わせて言った。
「メリークリスマ~ス」
カチンとグラスが鳴り、みんながグラスに口を付ける。
「マリア。良子がね、クリスマスケーキを持って来てくれたのよ」
「本当ですか? わぁ、ありがとうございます。ママさん」
「後で食べましょうね……」
「はぁ~い」

食事は会話と共に楽しく進み、一本目のシャンパンはあっという間に空に
なった。チキンもなくなり食事が終わると、テーブルが一度片付けられ、
切り分けられたケーキが皿に載せられてやって来た。
「はぁ~い、ママさん特製のクリスマスケーキでぇ~す」
白く波打つ生クリームに、赤い苺の生えるシンプルなケーキだった。しか
しそれがウェディングドレスのような清楚な感じを際立たせている。
「コレを食べたら……、毎年恒例のお楽しみよ」
「わぁ、やっぱり今年もマリアが生贄ですかぁ?」
「もう、余計なコト言わないでよ。そんなことないですよね、麗子様ぁ」
「その辺は成り行きで、ねっ……」
しかしそう言った麗子は、意味深な目でマリアを見つめていた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土