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あなたの燃える手で

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波色のキス


波色のキス



PROLOGUE
「FMフラミンゴ。ミッドナイトサーファー。この番組は、誰も知らない
伝説のサーファー、ミッチーマイケルと」
「脱がなくても凄い柚子木アンが、青い鳥の島はサエズリ岬ピーチスタジ
オからお送りしてまぁ~す」
「いやぁ~いつ聴いてもいい曲だなぁ、パラダイスウェーブ。こんな時間
でも海行きたくなっちゃうもん」
「おいおい、ミッチー。もうすぐ日付変わるっちゅ~のっ……」
「それではここでアンちゃんから、気象情報、お願いします」
「はぁ~い。それでは気になる台風の動きから……。気象庁の発表により
ますと、フィリピン沖で発生した大型の台風19号は、21日正午には、鹿
児島県の種子島の南東300キロを海上を、1時間に25キロの速さで北北
西に進んでいると見られます。中心の気圧は965ヘクトパスカル。最大風
速は30メートル。最大瞬間風速は40メートルで、中心から半径240キロ
以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。みんなぁ、海のレ
ジャーは控えめにねぇ。サーファーのみんなも無理しちゃ、だ・め・よ」

ベッドで寝転んでラジオを聴いていた『夏織(かおり)』は、起き上がる
と窓を開けた。すると生暖かい潮風と、止むことのない波音が忍び込んで
きた。
「台風19号か……。ホントだ、いつもより波の音が大きいや……」
夏織は部屋の隅に立てかけた、白いサーフボートに目をやった。


あたしの家は民宿をやっている。その名も ”民宿夏織”。もうやめてって感
じ。宿の名前をあたしに付けたのか、あたしの名前を宿につけたのか、そ
れを両親に聞いたことはない。真実はいつも一つでも、知りたくない真実
だってある。

ベッドに投げられたスマホが "ポロン" と鳴った。アンからLINEだ。そして
必要最低限なやりとりが続く。
・・・
行く? "うん" トンビ浜 "OK"  
・・・
これで十分だった。要するにトンビ浜でサーフィンのお誘いだ。
あたしは愛用の白いサーフボードを部屋から持ち出すと、それを自転車に
積んで走り出した。

海沿いの道から海岸は3メートルほど低い。そんな道の錆びた手すりに自
転車を置くと、あたしはボードを頭に乗せて浜への階段を降りていった。
ここは二人がサーフィンをするいつもの場所。いつもの場所っていうの
は、トンビ浜に流れ込むオウム川の河口近く。そこは波がよく立つこの島
有数のサーフポイントだ。
そんな浜の真ん中に、赤いサーフボードが "あたしはここよ" と言わんば
かりに置かれている。
その横で、日に焼けた小麦色の肌が体育座りで海を見ていた。
肩甲骨よりも長いベージュ系のストレート。ラジオで言っていた "脱がな
くても凄い" って言うのは本当で、胸は文句ない巨乳。腰からお尻にかけ
てクビレ足りない安産型。でも脚はなかなかの脚線美を見せる。そのスラ
リとした脚がイジらしい。

「アン~」
あたしの声に、アンが振り返って手を振る。
「早かったねぇ。いつももっと遅いのにぃ」
「そうぉ? それじゃ、早速やりますか……」
「うん……」
パッチリお目目に可愛い鼻。小ぶりの唇がニッコリ笑って返事をした。

今日もこの海にあたし達二人だけだ。
もともと人口の少ない青い鳥の島だけど、夏なんだからもう少し人がいて
もいいと思う……。
でもこれはこれで素敵。だって目の前は海。そしてこの広い浜が、二人の
プライベートビーチになってる。
あたし達はひとしきりサーフィンを楽しむと、一度浜に上がって砂の上に
座った。
「久しぶりにいい波だね」
「フィリピン沖で発生した大型の台風、19号が接近しておりますから」
「うふふっ、どっかのDJみたい」
「DJですからぁ~」
笑って見つめ合って、時間が止まる。
それはたぶん2秒か3秒。でもあたしは2分にも3分にも感じる。

「アン。キスして」
黙って頷くアン。近寄る二つの唇。目を瞑ると波音が消えて、柔らかな唇
がそっと触れ合う。
触れ合った唇はすぐに離れて、離れてはまた触れ合う。そんなキスを繰り
返すうちに、胸のドキドキが増していく。
あたしは首筋にかかる黒髪を後ろに払うと、強く唇を押し付けた。アンよ
りは小さな胸がアンに密着して、アンより細い脚がアンの脚にくっつく。
誰もいない海。誰もいない浜で、あたし達は長い長いキスをした……。

「ねぇ、夏織ぃ……」
アンが水平線を見ながら言った。
「んん? なぁにぃ?」
あたしはすぐ横のアンを見る。
「うぅん、何でもない。今度言うね……」
そしてアンは俯いた。
アン落ち込んでる。長い付き合いだもん。そんなの一目見ればわかる。
きっと何かあったんだ。だからあたしはワザとらしくはっちゃける。
「えぇ~なによぉ~。もぉ~、言ってよぉ~気になるじゃなぁ~い」
「うん。まだハッキリしたわけじゃないから……。ごめん。ごめんね」
「うん、まぁ、そういうことなら……、許す」
その後、何となく気まずい沈黙が続いたけど、またサーフィンを楽しん
で、夕方あたしはアンの家に行くことになった。

アンの家はここから歩いて10分位。見た目ペンション風のアパートだ。
「今日の夕日、綺麗だったね。アン」
「うん綺麗だった。台風の影響で波もあったし」
「うんうん、ここ最近で一番高い波だった」
「そうだね。そうかもね。明日もできるかな?」
「わかんない。台風次第だね。あんまり荒れ出したらアブナイし……」
「夏織、今日泊まってく?」
「いいよ。シテ欲しいの? いつものアレ」
「うん。シテ……」
アンは恥ずかしそうに頷いた。

その夜、あたし達は裸で抱き合っていた。
「うふっ、可愛い、アン。たっぷり可愛がってあげる」
あたしはキスから首筋、首筋から鎖骨へと唇を移していく。そしてアンの
両手を恋人握りでベッドに押し付けると、乳首の周りを焦らすように舐め
始めた。
「あぁぁ~ん」
アンの背中が反り上がり、大きな胸が持ち上がる。そんな胸の乳首を舐め
ず触らず、乳凛に沿って舌をじっくりと這わすのだ。時折唇を尖らせて乳
首に息を吹きかける。
もうアンの乳首は、触ってもいないのに最高にコリコリだ。
「乳首舐めて欲しい?」
「うん、舐めて」
「いいよ、じゃあ舐めてあげる。」
舌を伸ばして、コリコリになった乳首を舐め上げる。舌先で転がし、チロ
チロと弄び、もっと大きくなれとばかりに強く吸う。
「あぁっ、あぁぁ~ん。いいぃ、いいよぉ~夏織ぃ~」
「嬉しい、アンが感じてくれて……」
「それは、夏織が上手だから……、だよぅ。あぁぁっ、あぁぁ~ん」
「ありがと。じゃ、アンが楽しみにしてるコト、シテあげるね」
「うん。シテシテ」
あたしは右手を、アンの股間へと伸ばしていった。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土