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あなたの燃える手で

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すれ違いラプソディ

11
千夜、どうして帰りが遅いの。何をしているの。もしかしたら誰かと……。
あたしはそんな不安と胸騒ぎの中、バスルームでオナニーを始めていた。

「あぁ、お願い千夜。そんなことされたら逝っちゃう、あぁだめ、だめよぉ」
もうあたしの両手は千夜の手だ。千夜の手はあたしが感じるように感じるよう
にあたしの性感帯を責め嬲る。一切の無駄がないその動きは、あたしをどんど
ん絶頂へと向かわせるのだ。
「あぁ逝くっ、逝っちゃう千夜、あぁだめっ、逝くぅ~」
甘美な絶頂を味わうその瞬間、千夜の指はまたピタリと停止した。
「あぁぁっ、いやっ、やめないで、逝かせて、逝かせてよぉ」
「だぁ~めっ。でも本当に逝きそうだったねぇ、まひる」
「ねぇ、お願い逝かせてっ」
「それじゃ、もう少し虐めてからね」
「えっ……?」
すると左の指が、あたしの中でクネクネと幼虫のように動き、右の指は一番敏
感なアソコを、コネコネと嬲り始めます。
「あぁっ、あぁぁ~だめっ、だめだよぉ千夜ぁ。また逝きそうになっちゃう」
「いいじゃない逝きそうになっても、だって逝きたいんでしょう?」
「でも、でも、あぁ~いいぃ、そう、そうだよ千夜。そうそう、あぁ感じる、
感じる、気持ちいいよぉ、千夜ぁ~」
「感じる? 感じてるねぇまひる。逝きたい? 逝きたいの?」
「逝きたい逝きたい。ねぇ逝かせて、逝かせて千夜」
「そう、それじゃ……」
次の瞬間、あたしは一気にあたしの指に責め立てられて……。

快感が電流のように全身を走り、体は感電したようピンと突っ張った。
大きな波が行き過ぎると、膝の力がガクッと抜けて、あたしはバスルームの床
にしゃがみ込んだ。出しっ放しのシャワーが降りかかり、あたしはそのままポ
ツリと呟いた。
「千夜、あなた今頃なにしてるの……?」



「今頃まひる、なにしてるのかな?」
あたしはマリィさんと、またライブハウスの楽屋に来ていました。
今日は休業日。鍵を持っているのはオーナーのマリィさんぐらいだから、朝か
らここには誰も来ていないはずです。
「なに考えてるの、千夜」
「えっ……?」
楽屋に入るとマリィさんはドアを閉め、あたしの横の座布団に座り込んだ。
ここの楽屋は、ちょっとした和風旅館を思わせる作りだ。
「なにって、別に……」
「本当? 後ろめたいんじゃない? まひるちゃんに」
「えっ……?」
「やっぱり。図星ね……。千夜わかりやすいもんね。そういうの」
「前ににも言ったけど、あたしは二人の仲を壊す気は無いの。ただ、時間をち
ょっとだけ分けて欲しいの。今だけ、この時間だけあれば、あたしはいいの。
だから、ねっ、千夜。お願い。あなたの時間をちょっとだけ私に分けて」
その時のリリィさんの目は、あの目になっていました。ねっとりと粘りつくよ
うな、無数の触手のように絡みついてくる目に……。
その目で見つめられては、あたしはもうマリィさんに絡め取られた小魚です。
もう身動きできず、マリィさんのなすがままになってしまうのです。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土