しろっぷ
30
「大丈夫ぅ? クララぁ」
「うん。気持ち良すぎて、なんか全身ガクガク」
「そうなんだぁ、良かったねえ」
「近いうちにまたガクガクにしてあげるわ」
「もう、カレンったらぁ……」
「ねぇ、試験も終わったことだし、今からどっか行こっか?」
「えぇ~、どこぉ? アリス元気だねぇ」
「あたしガクガクなんですけどぉ」
「うぅ~ん。ひばり屋は?」
「ファミレスぅ?」
「また商店街まで行くのぉ?」
「いいじゃん、奢るからさぁ」
「本当? 奢ってくれるのぉ?」
「うん。いいよ」
「それじゃあたし生姜焼き定食と、デザートにあまおうバナナサンデー」
「クララは?」
「あたしはねぇ、そうだなぁ。モンブランショコラパフェにぃ、プリンアラモ
ードカラメルオレンジソースにぃ、チョコと抹茶のダブルクレープにぃ……」
「えぇ? そんなにぃ?」
「さすがクララ。メニューも見ずによくそれだけ……」
「本当。ガクガクじゃなかったのぉ?」
「あっ、もう大丈夫。ご心配おかけしましたぁ」
アリスとカレンは、急激な回復を見せたクララを白い目で見た。
そして再び制服に着替えた三人は、商店街へと意気揚々と出かけていった。
校長はくるみを気の済むまで逝かせると、ベッドから起き上がり、机の上のテ
ィッシュの箱を持った。
「くるみ……」
「はい……」
振り向いたくるみに、校長は箱からハンディカムを取り出して見せた。
「それって……」
「そう、今の行為は全部これに録画されてるわ」
「そんな……」
「でも安心して、そこにはあたしも写ってる。これが世に出れば、あなたもあ
たしも終わり。わかるわよね」
「はい……」
「あたしは今の仕事を。あなたは将来を。それぞれ人質に取られたようなもの
だわ。つまりこれは諸刃の剣。そこで相談なんだけど」
「な、なんですか」
校長が何を言い出すのか、くるみは不安を隠せない。
「これからも、この関係を続けて欲しいの」
「えっ……?」
「あたしは校長という立場から、その権限であなたをどうにでもできる力があ
るわ。でもね、そんな力であなたを押さえたくはないの」
「……」
「でも言葉ではそう言えても、証明できない。だって生徒と校長といいう関係
は変わらないから……。だからこれで録画したの。これならあなたとあたしの
立場は対等。だから、これからも、この関係を……。ねっ、くるみ」
「校長先生……」
くるみはくるみなりに、校長の誠意を感じた。
「だめかしら。くるみ」
「はい、わかりました。でも、あまり頻繁にはちょっと……。あたしも受験と
かありますし」
「そうよね、わかってるわ」
「それじゃ、今日は失礼します」
くるみは一礼すると、静かに校長室を出た。
校庭を校門へと歩くくるみには、まだ余韻のようなものが残っている。
女同士、年齢差で手を縛られて……。かなりマニアックかもしれない。
でもなぜかうまくやっていけるような。くるみにはそんな気がしていた。
ー第1章 完ー
「大丈夫ぅ? クララぁ」
「うん。気持ち良すぎて、なんか全身ガクガク」
「そうなんだぁ、良かったねえ」
「近いうちにまたガクガクにしてあげるわ」
「もう、カレンったらぁ……」
「ねぇ、試験も終わったことだし、今からどっか行こっか?」
「えぇ~、どこぉ? アリス元気だねぇ」
「あたしガクガクなんですけどぉ」
「うぅ~ん。ひばり屋は?」
「ファミレスぅ?」
「また商店街まで行くのぉ?」
「いいじゃん、奢るからさぁ」
「本当? 奢ってくれるのぉ?」
「うん。いいよ」
「それじゃあたし生姜焼き定食と、デザートにあまおうバナナサンデー」
「クララは?」
「あたしはねぇ、そうだなぁ。モンブランショコラパフェにぃ、プリンアラモ
ードカラメルオレンジソースにぃ、チョコと抹茶のダブルクレープにぃ……」
「えぇ? そんなにぃ?」
「さすがクララ。メニューも見ずによくそれだけ……」
「本当。ガクガクじゃなかったのぉ?」
「あっ、もう大丈夫。ご心配おかけしましたぁ」
アリスとカレンは、急激な回復を見せたクララを白い目で見た。
そして再び制服に着替えた三人は、商店街へと意気揚々と出かけていった。
校長はくるみを気の済むまで逝かせると、ベッドから起き上がり、机の上のテ
ィッシュの箱を持った。
「くるみ……」
「はい……」
振り向いたくるみに、校長は箱からハンディカムを取り出して見せた。
「それって……」
「そう、今の行為は全部これに録画されてるわ」
「そんな……」
「でも安心して、そこにはあたしも写ってる。これが世に出れば、あなたもあ
たしも終わり。わかるわよね」
「はい……」
「あたしは今の仕事を。あなたは将来を。それぞれ人質に取られたようなもの
だわ。つまりこれは諸刃の剣。そこで相談なんだけど」
「な、なんですか」
校長が何を言い出すのか、くるみは不安を隠せない。
「これからも、この関係を続けて欲しいの」
「えっ……?」
「あたしは校長という立場から、その権限であなたをどうにでもできる力があ
るわ。でもね、そんな力であなたを押さえたくはないの」
「……」
「でも言葉ではそう言えても、証明できない。だって生徒と校長といいう関係
は変わらないから……。だからこれで録画したの。これならあなたとあたしの
立場は対等。だから、これからも、この関係を……。ねっ、くるみ」
「校長先生……」
くるみはくるみなりに、校長の誠意を感じた。
「だめかしら。くるみ」
「はい、わかりました。でも、あまり頻繁にはちょっと……。あたしも受験と
かありますし」
「そうよね、わかってるわ」
「それじゃ、今日は失礼します」
くるみは一礼すると、静かに校長室を出た。
校庭を校門へと歩くくるみには、まだ余韻のようなものが残っている。
女同士、年齢差で手を縛られて……。かなりマニアックかもしれない。
でもなぜかうまくやっていけるような。くるみにはそんな気がしていた。
ー第1章 完ー