しろっぷ
校長室の隣の部屋、その部屋は以前校長が体を患った際に、体を休めるために
増設した部屋だ。この部屋は廊下からのドアはなく、校長室からしか入ること
ができない。
くるみ自身まだその部屋に入ったことはなく、そして今もそのドアは開かずの
間のように閉またままだった。
校長はくるみの上から体を起こすと、上着のポケットから隣の部屋の鍵を摘み
上げた。
六畳ほどの広さがあるその部屋は、仮眠が取れるように、壁に沿ってシングル
ベッドが置かれていた。他にこれといった家具もない。しいていうなら化粧台
のような机が、一つ置いてあるだけだ。
校長はこの部屋にくるみを招き入れるとドアを閉め、カーテンを引いた。
そしてくるみに振り返った。
「どうしたのくるみ、早く服を脱ぎなさい」
「でも、やっぱり、そんなこと、あたし……」
「くるみ、あなたあたしの言うことを聞けないの」
「でも……」
くるみはその場に、凍りついたように立ち尽くしている。
それを見た校長は。
「そう、やっぱりわかってくれないのね。どうやら……、力づくで犯すしかな
いみたいねぇ」
すると校長は、ドアの鍵を閉めてしまった。
「えっ……?」
「しょうがないでしょう? あたしのいうことを聞かないくるみが悪いのよ」
「だって……」
「この学園であたしのいうことが聞けないなんて」
校長はそういうとくるみに歩み寄った。
「あなたくらいのものよ、くるみ」
くるみはその勢いに気圧されるように後ずさる。
校長はそんなくるみの二の腕を掴むと、そのままベッドに押し倒した。
「キャー、せ、先生……」
くるみはベッドに足を取られるように仰向けに倒れた。
その上に、体重を預けるように校長がのし掛かる。
「いやっ、野々村校長、あぁ、いやぁ、先生やめてぇ」
「やめて? みんなあなたが、くるみが悪いのよ」
くるみの両手首を握り、そのままベッドに押し付ける。しかしそれでもくるみ
は、できる限りの抵抗を試みた。
「やめてください、あたし、こんなの……、こんなこと」
「ほらっ、大人しくしなさい。私だって手荒なことはしたくないの」
校長は手首を握ったまま、上体をズリズリと押し上げ、完全にくるみの上にの
し掛かると、そのシミの浮いた顔をくるみの顔へと近づけた。
くるみはモンスターに迫られたように顔を背ける。その背けた顔を校長の顔が
追いかける。
「いやっ、いやですぅ」
「もう観念なさい。くるみ」
「いやぁ、やめてっ、やめてぇぇ」
「今更やめられるもんですか。そう、そんなに言うことが聞けないのなら、こ
っちにも考えがあるわ」
「えっ?」
「こうなったら、徹底的に可愛がってあげるわ。あたしね、こういうの嫌いじ
ゃないの。嫌がる女を無理やり犯すって。むしろ好きなくらい。特にあなたみ
たいに可愛い子なんて、大歓迎だわ」
言い終わらないうちに、校長はくるみの唇を捕らえた。