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あなたの燃える手で

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甘く危険な調べ

15
もう何回先生の部屋に行ったろう。
あの日、先生にバージンを捧げてから、あたし人生変わったのかもしれない。
先生との日々は凄く気持ち良くて。だから私あれから男の人とはイマイチだ。
別にそれを先生のせいにするつもりはない。だって私は私で幸せだったから。

「あたしね、ずぅ~っと独身だったのよぉ」
先生が言った。
「そうだったんですかぁ?」
「私、やっぱり男の人がダメで……」
そして先生は、冷たくなってしまったコーヒーを飲み干した。だから私も先生
に合わせるようにコーヒーを飲み干す。
「あたしも今はシングルです。理由は先生と同じ……、です」
するとなんとなく短い沈黙が生まれた。おそらくこれからどうしようという思
いからだと思う。このまま別れるのか、それとも……。
先生の部屋に入ってた頃は、お茶をするとそのその後は……。
そんなコトをふと思い出した時、先生が言った。
「とりあえず出ましょうか」
「はい」
私たちは立ち上がると、レジへと歩いた。
すると前を歩いていた先生が、レジで財布と取り出した。
「あっ、先生、ここは私が……」
「いいのよ、教え子に奢ってもらうなんて」
「そんなことないですよ」
よくあるそんなやりとりがあって、結局支払いを済ませたのは先生だった。

外はまだ十分すぎるくらい明るい。その明るさの中で、先生が腕時計にチラッ
と視線を送った。
「さて、どうする? まだ3時だけど」
「どうしましょうか?」
「私は時間あるけど」
「私も大丈夫です」
「そうなの」
私たちはとりあえず、国道沿いを歩き始めた。

2人ともなんとなく同じ気持ちを共有しているのはわかる。でも会うコトのな
かった10年以上の歳月が、その一言を言うのをためらわせた。
さっきまであんな話をしていたのに……。なんか不思議だ。
でもなんとなく二人で歩き出した方向。この先に、あと10分も歩けばラブホ
テルがあるのを私は知っている。そのホテルは国道から車でそのまま入るコが
出来るような作りで、比較的大きいホテルだ。だから絶対先生だって知ってい
るハズで……。

もしかして、もしかして、そこへ? 先生……。

「なんだかすっかり涼しくなったわねぇ」
「えっ、えぇ……。そうですね」
「この辺にはよく来るの」
「今日はたまたま映画を観た帰りで……」
「あぁ、そうだったわね。私はたまに来るのよ。電車1本で来れるし」
「そうなんですか」

先生は路地を曲がると、国道と平行する裏道へと入った。その裏道をまたホテ
ルへの方へと歩く。ここからホテルまであと3分とかからない。そしてこの裏
道にも、ホテルの看板が出ている。その看板がもう目の前だった。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土