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あなたの燃える手で

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甘く危険な調べ


季節は秋。でも10月下旬の雨は少し寒かった。
先生の車に乗ってから、2人は暫く黙ったままだった。
何の会話もなく5分ほど走って、最初に口を開いたのは先生だった。
「雨になっちゃったわねぇ」
「はい」
私はちょっと緊張した面持ちで、雨とワイパーのいたちごっこを見ていた。
「どうしたの? 口数が少ないみたいだけど……」
「そうですか。今日はちょっと寒いし。それになんか……、先生のお部屋に行
くと思うと緊張しちゃって」
「あらそう? 私は楽しみだけど」

先生が車を駐車場に入れると、私達は雨の中を小走りで入り口へと向かった。
先生と一緒に走るなんて、これが初めてだった。
エレベーターに乗ると、先生は10階のボタンを押した。小さな箱の中で私達
の口数は少なかった。ただ回数表示だけが雄弁に変わっていった。

先生の部屋は一目で一人暮らしと分かる感じで、小綺麗に整理されていた。
リビングに通されると、先生は冷蔵庫からケーキを出した。
「あっ、本当に買っておいてくれたんですね」
「そうよ。買っとくって言ったでしょう」
「それも私の好きなチーズケーキ……」
「あらっ、私もこれ好きなの。偶然ね。ねぇ、紅茶にする?」
「はい」
それからは、沈黙していた車の中が嘘のように楽しいおしゃべりが続いた。
話題はその都度変わり、部活や楽器のコト、勉強や友達のコト、そしてもうす
ぐ始まる文化祭のコトなど、最初の1時間はあっという間に過ぎた。
「ねぇ、詩織ちゃん、あっちの部屋いく?」
「えっ、あっ、はい……」
あっちの部屋と言われても、その部屋を知らない私は何となくはいと返事をし
まったけど、まさか寝室? だろか。
先生は立ち上がると短い廊下を歩き、隣の部屋のドアを開けた。するとそこは
予想通り寝室だった。
先に部屋に入った先生は、もうベッドに腰掛けている。
「遠慮しないで入って……」
「は、い……」
私はちょっとためらいがちにその部屋に入った。
寝室は6畳ほどの広さがあった。でもマンションだからか、普通の6畳の部屋
と比べると少し狭い気もする。
そんな部屋の大部分を占めるのはセミダブルのベッドだった。あとは数冊の雑
誌の載ったサイドテーブル。壁にはクローゼットのドアがありくらいだ。

「こっちよ、いらっしゃい。」
先生はここに座りなさいとばかりに、自分の横をポンポンと叩いた。
私は言われて通り先生の横に座った。すると先生は私との隙間を埋めるよう
に、ほぼ私に密着した。
「今日ここに来た意味、わかってるわよね」
「はい。わかってます」
「まさかケーキをご馳走になりに来ただけじゃないもんね」
「はい」
「今度はあなたがケーキよ。だから私があなたを食べるの。いい?」
「はい。どうぞ私を食べてください。先生」
「まぁ、いい子。よく言えたわね」
「いえ、そんな。私先生なら……。いつかこうなるって思ってました」
「そう。それじゃいっぱい可愛がってあげましょうね。詩織……」
先生が私を呼び捨てにした。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土