2ntブログ

あなたの燃える手で

Welcome to my blog

甘く危険な調べ


私と石原先生は、『ハイカラ楽団』の隅のテーブルで向かい合っていた。
2人に間には、まだ湯気の立ち上る白いコーヒーカップが2つある。
「そうそう、思い出したわ。あの時の詩織ちゃん。すごく緊張してた」
「そりゃそうですよ。だって初めてのキスですよ。それが先生とだなんて、そ
れも突然あんなことになって…‥。誰だって緊張しますよ」
「あらっ、ファーストキスって、大概の場合突然じゃないかしら? 何となく
雰囲気でそうなるものでしょう。これからキスしますなんていちいち言う?」
「そうですけど。でもあれからあたし達、練習中にもキスしたりしたじゃない
ですか。よくバレなかったなって思います」
「そう言えばそうね」
「だって先生、指まで絡めて……、いつバレるかとドキドキしちゃいました」
「そうそう、本当に……。我ながら大胆なコトしてたわ」
「一番安心できたのが、屋上での居残り練習の時。あの時間の屋上には絶対誰
も来なかったから」
「そうね。屋上のドアって開ける時に軋んで音がしたじゃない、だから誰かが
来ればすぐわかるのよね」
「そうそう、先生必ずドア閉めてた」
「だから安心して舌も入れられたわ」
「やっぱり……。あの時は突然舌を入れられて、ちょっと驚きました」
「あぁに? やっぱりって……」
「だって先生必ずドアを閉めるから,どうしてかなぁって思ってたんです。も
しかしたらそういうことかなぁって。やっぱり当たってた」
「うふふっ、もう詩織ちゃんったらぁ」
「でも先生、授業中は全然別人だった。キスのコトなんて微塵も見せずに、
淡々と授業をしてましたよね」

授業中の先生は、あたしと目も合わせなかった。
たまに目が合ったと思うと……。
「それじゃ今の続きを、長澤さん」
そんな時にあたしは先生とのコトを思い出していて、その声が耳に入らず。
「長澤さん、長澤詩織さん。今の続きを読んで」
「あっ、はい」
「もう、なにをボーっとしているんです?」
「すみません」
なんてコトがよくあった。
そうかと思うと教室での練習の時は、あたしに教えるフリをしながらみんなに
背を向け、あたしを隠す位置に立つと、クラリネットを持つあたしの手の上か
ら手を重ね、そして手の甲を撫でたり指の間に指を入れてきたりした。
「もう少し手首をこうしてごらんなさい。」
「lはい。こうですか?」
「そう、そんな感じで」
そんなコトを言いながら、隙を見て素早くあたしの唇を奪ったりした。それは
時間にすればコンマ数秒のコトだが、それでもあたしの胸は高鳴った。

そして先生が一番大胆になったのが、屋上での居残り練習の時だった。
みんなが帰り支度を始める中、あたしと先生は2人きりで屋上に向かう。
これはいつものコトで別に誰も怪しまないし、屋上で音を出すわけではないか
ら誰も気がつかない。時間的にも部活動が終わる時間なため、生徒はほとんど
いないし、ましてや屋上に来る生徒や先生など皆無だった。
先生が屋上のドアを閉めると、あたし達は校庭から見えない位置に行き、そこ
でキスをするのだ。
この時だけは、先生は私に舌を入れてきた。

Comments 0

Leave a reply

About this site
女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
About me
誠に恐縮ですが、不適切と思われるコメント・トラックバック、または商業サイトは、削除させていただくことがあります。

更新日:日・水・土