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あなたの燃える手で

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MORNING LOVE

14
「これでいいわ。」
京香さんはあたしの両手首を1つに縛ると、満足そうな笑みを浮かべた。
そして居間の肘掛け椅子を持ってくると、それにあたしを座らせた。
「手を頭の後ろに……、そう」
あたしは縛られた両手を後頭部へと付けた。すると彼女は余った縄を椅子の背
もたれ部分に縛り付けた。
あたしの両脇は全開になり、それだけでも相当恥ずかしかった。でも京香さん
はやっぱりというか、当然というか、それだけでは終わらなかった。
今度は両脚の膝を椅子の肘掛けに掛け、M字にするとそれも縄で縛られた。
つまり真っ正面から見れば、あたしは両手を頭の後ろに持っていき、両脚は肘
掛けに膝をかけた為にM字開脚となっている。
そして今気が付いたんだけど、あたしの座ったというか、縛られたその椅子は
何故かベランダ寄りに置かれ、向きもベランダに向いている。
「……?」
「さぁ。それじゃカーテンを……」
京香さんはベランダへと歩くと、カーテンを20センチ程開けた。
「いやっ、閉めて、閉めて京香さん……」
「あらどうして? こんな綺麗な裸、皆さんにもお見せしなきゃ申し訳ないじ
ゃない……」
「そんなっ、何言ってるの。いいから早く閉めて」
「いいじゃない、どうせ誰も見てやしないわよ」

真っ正面には向かいのマンションが、下には公園と駐車場が見える。
下からは角度的にほとんどが死角になると思われ、それほど心配はなかった。
問題は向かいのマンションだ。そこからはモロに見えてしまう。特にこの階と
同じ8階の住人と、それ以上の階に住んでいる人からは見えるに違いない。
救いは開いたカーテンの幅が20センチ程だということだった。この幅なら、
あまり目立つことはないと思う。もしかしたら、見えないかもしれない。
そう思う。いや、そう思いたいのだ。それだけが今の心の支えなのだから。
ただ、向かいのマンションに並んだ窓の向こうには当然住人達、特にあたしと
同じように、主人を会社に送り出した主婦達がいる。
まだ朝のこんな時間だ。買い物に出掛ける時間ではない。
そう思うと、あの並んだ窓の向こうから、この部屋を見ている人がいる可能性
も無いわけでなはい。こんな恰好のあたしを見て、ニヤニヤと嗤っている人妻
達がいるかもしれないのだ。
そんなことを想像すると、全ての窓からコッチを見ているような、見られてい
るような気にもなってくる。

「ねぇ、京香さん。もういいでしょう。カーテン閉めて……」
しかし彼女はそれには答えず、耳に当てた携帯に頭を傾けていた。
「あっ、マキさん。長谷川です。あのね……」
京香さんはあたしの後ろで、誰かに電話をしたようだった。
「それでね、向かいのマンションのマキさんなら見えるかなって思って……。
うん。ウチのベランダ……。悪いんだけど、チョット見てくれる?」
「京香さん、今の電話……。向かいのマンションからベランダを見るって。そ
んなコトしたら、あたしに気が付くかもしれないわ」
「そうねぇ、それじゃ気が付きやすいように、もう少しカーテン開けとこうか
しら?」
京香さんはカーテンの幅を30センチ程に広げた。
その時の京香さんは当然あたしに背を向けていて……。だから彼女がどんな顔
をしていたか、あたしには知るよしもない。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土