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あなたの燃える手で

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MORNING LOVE

13
「いってらっしゃい……」
「今夜も夕食はいらないからな」
あたしは靴ベラを夫から受け取ると、黒いカバンを渡した。
「あらまた?」
「海外進出がかかった大事なプロジェクトだからな」
それだけ言うと、夫はドアを開き出て行った。
「いってらっしゃい」
ドアを閉め、8階の窓から駅へ向かう主人を確認すると浴室へと向かった。
あと20分もすれば、京香さんが来るはずだ。


シャワーを浴びて体を拭いていると、玄関のチャイムが鳴った。
「美久さぁん、あ・た・し」
それはチョットひそめるように、それでいて室内には聞こえるように、そんな
声の出し方だった。
「はぁ~い」
あたしは体にバスタオルを巻いただけの姿で玄関を開けた。そこには紙袋を持
った京香さんが立っていた。
「あらっ、美久ったら、そんな恰好だったの? もう、準備がいいんだから」
京香さんはまだ玄関を閉めない。
あたしはこんな恰好でいる自分を、向かいのマンションから見られているよう
な気がして、落ち着かなかった。
「ねぇ、早く締めて……。なんだか見られそうで恥ずかしいわ」
「そうね、ごめんなさい」
京香さんはニヤリと嗤うとやっと玄関を閉めてくれた。

あたしはそのまま京香さんを寝室へと案内した。
部屋に入ると京香さんは、持っていた紙袋をベッド脇に置いた。
そして突然あたしに唇を押しつけてきた。舌は唇をこじ開け、ヌルリとあたし
の口に入ってきた。そしてそのままあたしをベッドに押し倒し、上にのし掛か
りながらキスを続けた。
「あぁ~、美久ぅ」
「んん……、んあぁ~ん、き、京香さぁん」
「今日もいっぱい虐めてあげるわ」
「あぁ、嬉しいわ……」
「うふふっ、もうすっかりクセになったみたいね」
「だってぇ~」
「やっぱりSのあたしとMのあなたは相性がいいのよ。それに美久はちょっと
SMっぽいプレイの方が、燃えるでしょう」
「そうかも。だって、京香さんに責められると、何だか凄く感じちゃって」
「それはあなたが変態だからよ」
「あぁん、もう、そう言われるだけでドキドキしちゃう」
「あらっ、それじゃ本格的にドキドキさせてあげるわ」
「えっ?」
「さぁ、とにかく裸に……、って、もう裸みたいなものね」
確かにシャワーを浴びた直後の今のあたしは、全裸にバスタオルを巻いただけ
の恰好だ。
「それじゃ、両手を出して……」
あたしはまるで手錠を掛けられるように両手を彼女に差し出した。
京香さんは持って来た紙袋から紅い縄を出すと、あたしの両手を1つに縛り始
めた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土