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あなたの燃える手で

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MORNING LOVE

MORNING LOVE
ーいってらっしゃいの後でー


PROLOGUE
「いってらっしゃい……」
「あぁ、今夜は夕食はいらないからな」
美久は靴ベラを夫から受け取ると、黒いカバンを渡した。
「あらまた? 最近遅いのね」
「新しいプロジェクトが始まってな、これから暫く帰りも遅くなる」
「あらっ、そうなの。大変ねぇ」
「このプロジェクトが成功すれば、ウチもいよいよ海外へ進出だ」
ドアが開くと、冷たい空気が流れ込み……。
「いってらっしゃい。気をつけてね……」
ドアが閉まれば、すぐに暖かな空気が彼女を取り囲む。
美久は鍵を閉めると、8階の窓から駅へと向かう主人を確認した。そしてその
まま浴室へと向かった。
あと20分すれば隣人の京香さん、長谷川京香が来るはずだ。




熱いシャワーが、あたしの体を血管のように流れ落ちる。
長谷川京香とあたしは、今年35歳になる同い年の友人だ。友人と言っても、
あたし達夫婦が彼女の隣の部屋に越してきてからの付き合いだから、まだ半年
ほどだ。その時はまだ、ごく普通のご近所付き合いだった。
でも3ヶ月程前から、その付き合いに微妙な変化が現れ始めた……。

それは長谷川さんと、エレベーターで偶然一緒になった時のことだ。
今は京香さんって呼んでいるけど、当時はまだ長谷川さんって呼んでた。
その時のあたしは買い物に行くところだったんだけど、それが偶然彼女と同じ
時間になって。それであたし達は一緒に買い物に行くことになった。
買い物と言っても近くのスーパーまで行くだけで、車で遠くまで行くというよ
うなことではない。
あたし達はとりとめもない話をしながらブラブラと歩き、スーパーに着くと野
菜売り場へと向かった。

野菜売り場で、彼女がキュウリを手に取った。
そしてそれを両手で包み込むように持ったのだ。
その時、そう、今から思えばあの時だった。長谷川京香に興味を持ったのは。
彼女にしてみればそれは、ただキュウリを持っただけかもしれない。でもその
時のあたしは何故か、何故かそれがイヤラシク見えたのだ。
そして彼女の口元も、僅かに微笑んでいたように見えた。それにキュウリを持
った彼女の目はあたしを見ていた。その時目が合ったのは絶対間違いない。
それだけは言える。

その日を境に、あたし達は一緒に買い物に行くようになった。
そんなある日、長谷川さんがまた野菜売り場でキュウリを持った。そしてそれ
をあたしに見せて、小声でこう言ったのだ。
「見て、大きなきゅうり。ほらっ、こんなに太いの。チョット持ってみて」
そしてそれをあたしに渡した。
「チョット想像しちゃわない?」
「えっ?」
あたしは彼女の言う意味が分かっていながらトボけた。だって……。
すると彼女はたたみ掛けるように言ったのだ。
「だ・か・ら……、太くて長くて……。ねっ」
「う、うん……」
結局あたしは半ば認めたような感じになり、チョットばつが悪かった。
でもそんな出来事が、あたしと彼女の距離を縮めたのは間違いない。
その日からあたし達の距離は更に縮まり、近くのカフェでお茶をしながらおし
ゃべりをすることも多くなっていった。お互いの呼び方も、"京香さん" "美久"
に変わり、その内容は時に、夫への不満やグチなどにも及んだ。
そしてお互い、夜の方は随分とご無沙汰だと言うことも判った。

そんなある日の朝。あたしが夫を送り出すと、この時間には鳴るはずのない携
帯が鳴った。見ればそれは京香さんからだった。
「もしもし、美久?」
「あっ、京香さん。おはようござ……」
「おはよう。チョット今からウチにこない?」
「えっ?、いいんですか? こんな早い時間から……」
「いいわよ勿論。だから、ねっ。早く来て……」
そしてそれから数分と経たず、あたしは隣のチャイム押した。
ドアが開くと京香さんはシャツのボタンを3つ外した恰好で立っていた。
そんな彼女の胸元は、どうやらノーブラなのが見て取れた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土